自然災害:ネパール

ILO事務局長声明:再び大地震に見舞われたネパールの再建努力に対する支援を改めて表明

声明 | 2015/05/13

 2015年4月25日にネパールで発生したマグニチュード7.8の大地震の犠牲者は約7,300人に上り、約280万人が避難しています。ILOネパール国別事務所のジョゼ・ジョアキン・アサリノ所長は、地震後のインタビューに答えて同国の労働力の約3分の1の就労に今回の地震が影響を与えた可能性を指摘しています。そして、2013年にネパール政府と締結したILO国別計画の優先事項である雇用と社会的保護に関するものを中心に既存の事業計画を基盤として対応活動を展開していく意向を示しました。恒常的な仕事の創出を目指してILOが農村道路維持プロジェクトを実施していた33の郡のすべてが被災地域に含まれており、つながりのある技術者や労働者が既に現場にいるだけでなく、地方自治体の仕組みの中に完全に溶け込んで存在しているという他の機関にはない強みを有するILOとしては、緊急活動を始動させる準備が十分に整っていると説いています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、5月12日に起こった2度目の大きな地震を受けて、同国の再建努力に対する支援を改めて表明する以下の英文声明を13日に発表しました。

 今回の地震を受けて緊急に求められているのは貧困世帯の生活再建に対する支援です。ILOは以前からネパールで労働力基盤型道路維持プロジェクトや技能開発、強制労働・児童労働対策など、様々な開発協力事業を展開してきましたが、今後は短期的には農村地帯へのアクセスが回復されるよう、がれき除去を通じた臨時雇用の創出に努力を集中させる予定です。地滑りによって不通になった農村部の道路の復旧が優先事項ですが、この点で、ILOがハイチ、インドネシア、フィリピン、スリランカなどで培ってきた災害対応活動の経験が役に立つと思われます。より中期的には、持続可能な復旧を確保するため、旅行・観光業その他のサービス部門における中小企業の技能や資産を補充する必要があります。復旧・復興活動を通じて、ILOは公正な賃金、人間らしく働きがいがある安全な労働条件、不利な集団のエンパワーメントを訴えていきます。

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 ネパールにおけるこの最新の大地震は2015年4月25日に起こった地震によって破壊された中央地区でまだ復旧努力が続けられている中で発生しました。この二つの悲劇によって愛する方々を亡くされたご遺族やご自宅・生計手段を破壊された方々に心よりのお悔やみ・お見舞いを申し上げます。

 最初の地震は数百万人の労働者の方々に影響を与えたと推定されています。今回の2回目の地震によってこの数は今後増える可能性があります。

 脆弱な世帯が生活を再建できるよう支援することが最も緊急に必要とされています。中期的には、そして持続可能な回復を確保するには、旅行・観光業のような産業部門の中小企業に相当の支援が必要です。

 ILOはネパール政府を含む現地のパートナーと引き続き密接に協力し、再建努力を支援していく所存です。