2014年協同組合の国際デー(7月5日)

ILO事務局長メッセージ:持続可能な開発のための協同組合

声明 | 2014/07/05

 7月第1土曜日(2014年は7月5日)に設定されている協同組合の国際デーに際し、ガイ・ライダーILO事務局長は、持続可能な開発に寄与する協同組合の力を強調し、その支援に向けた引き続きの協力を約する以下のような英文メッセージを発表しました。

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 世界中の協同組合コミュニティーと共にこの「協同組合の国際デー」を祝うことができて喜ばしく思います。

 協同組合とは古い理念ですが、今後2、30年間に世界が直面するであろう開発上の課題と機会を見据えると、その存在はかつてないほどに時代に適したものになっているように思われます。

 地球規模の政策課題となる「持続可能な開発目標」に関して国連が合意しようとしている今、極度の貧困と窮乏を過去の歴史と化し、社会の誰をも置き去りにしない包摂的な社会を確保し、経済目標と社会目標を調和させることに向けた真のチャンスが存在します。

 そのためには何が必要でしょう。主な措置には以下のようなものが含まれるでしょう。

  • 今後しばらくの間、労働市場への新規参入者を吸収し、既に職を失っている2億人余りを吸収する上で相当の進展を達成するには、毎年約5,000万人分の仕事を新たに創出する必要があります。
  • 1日1人当たり2ドル未満で暮らす8億人以上の労働者とその家族という働く貧困層(ワーキング・プア)問題を克服する必要があります。
  • 今日、世界中で8億人を超える人々が苦しんでいる飢えと栄養不足に終止符を打つ必要があります。
  • 基礎的な社会的保護を欠いている世界人口の約4分の3に当たる50億人以上の人々に保護を拡大する必要があります。
  • 「底辺層の10億人」に金融サービス、経済機会を確保し、金融面で置き去りにされない包摂性を保障する必要があります。
  • いまだに電気のない暮らしを送っている13億人に近代的な形態のエネルギーを利用できる機会を与える必要があります。
  • 富裕国・貧困国を問わず、しばしば警戒的な水準に達している不平等レベルを低下させる必要があります。
  • 高齢化が急速に進み、しばしば公共予算と社会保障制度の需要対応力がギリギリまで伸びきってしまっている先進国及び一部新興経済諸国において将来的に存立できる介護解決策を見出す必要があります。

 こういったすべての課題に取り組む上で、協同組合と共済組合は流れを変えるほどの貴重な役割を演じることができます。貧困層及び疎外されている人々の多くは伝統的な商品とサービスの市場によっても政府によっても到達することはできませんが、協同組合その他の社会的経済の事業体は必要な手を差し伸べられることが示されています。

 ILOと国際協同組合同盟(ICA)から最近発表された研究書『Cooperatives and sustainable development goals(協同組合と持続可能な開発目標・英語)』は、雇用創出や男女平等の向上からクリーン・エネルギーや包摂的な金融の提供、食の安全保障の確保、社会的保護の拡大に至るまで、持続可能な開発に対して協同組合事業体が行っている貢献とさらに多くを行い得る潜在力に光を当てています。働く貧困層、飢えに苦しむ人々、排除されている人々の多くが農村労働者であり、その多くが小自作農です。協同組合には農村部で多様な形態の排除を克服してきた際立った経験がありますが、そこに限るわけではありません。協同組合は経済のあらゆる部門に存在し、幅広い状況に適応できます。経済開発、社会正義、環境保護という持続可能な開発の三つの最重要項目に対応しています。

 こういったすべての理由から協同組合と共済組合は伝統的な市場と政府の活動を補完する必要不可欠な役割を大いに演じる未来の事業体であると言えます。これは、2012年6月に開かれた国連持続可能な開発会議(リオ+20)の成果文書「私たちの求める未来」でも明確に認められています。国際社会は持続可能な開発目標を実現するための手段と戦略を設定する際に、この点に留意すべきです。

 ILOは今後も協同組合運動との協力を続け、協同組合事業体が未来の事業体及び包摂的な社会と持続可能な開発の原動力としての自らの存在の場を確実に見出せるよう支援を行っていく所存です。