ILO創立100周年記念行事

100年間を1日で:バーチャルツアーで地球を一周(2019年4月11日)

記者発表 | 2019/03/28
24時間ILO100周年記念イベントを24カ国で開催(2019年4月11日)

 1919年4月11日にパリ平和会議の本会議においてILO憲章草案とそれを起草した国際労働立法委員会の報告書が承認されました。これを記念して100年後の2019年4月11日に、ILOは世界各地のILO事務所24カ所で開かれる100周年記念イベントを各1時間ずつインターネット経由のライブ配信で接合し、24時間にわたるイベントを開催します。各地の行事は地元色を加味しつつ、仕事の世界の現在、過去、未来を音楽やダンス、風船、誕生日ケーキなどで彩りながら、ILOの活動の多様性と幅広さを紹介する多文化、多言語、多国家の世界一周旅行を提供するものとなる予定です。

 この旅は、4月11日グリニッジ標準時(GMT)零時(日本時間9時)にフィジーのスバで開幕し、アジア、アフリカ、アラブ、ヨーロッパの4大陸を経て、南米ペルーのILO中南米・カリブ総局における行事で閉幕します。

 政府、使用者、労働者の代表が平等な立場でILOの活動や決定に参加するというILOの三者構成原則はイベント全体に反映されています。旅の出発点となるフィジーでは、ILO太平洋島嶼国国別事務所が音頭を取り、フィジーの大統領に加え、メラネシアやポリネシアのエンターテイナーも参加して、11のILO加盟太平洋島嶼国から伝統的な歓迎の催しが届けられます。GMT1時(日本時間10時)から始まるマニラにおけるイベントは、エンターテインメントの才能で世界的に有名なフィリピンの強みを発揮するものとして、スター発掘テレビ番組「ゴット・タレント」アジア版の優勝者であるエル・ガンマ・ペヌンブラがILOの100周年記念ソング「We've got a vision(私たちの描く未来像)」に載せて特別に制作した影絵芝居を演じます。

 北京バンコクダッカコロンボニューデリープレトリアアンタナナリボモスクワアンマンベイルートと続き、カイロでGMT12時(日本時間21時)から4000年の歴史を有するピラミッドを背景に音楽とスピーチで構成されたハイレベルの祝賀式典が催されます。キエフトリノを経て、GMT15時(日本時間翌12日午前零時)からジュネーブのILO本部におけるイベントが開始されます。フィナンシャル・タイムズと共催し、ガイ・ライダーILO事務局長も出席するこのイベントでは、次の100年を見据え、1月に発表された仕事の未来世界委員会の報告書の結論を討議資料として、持続可能で社会正義がかなえられた仕事の未来を構築する方法についてパネル討議が行われます。

 ブリュッセルアビジャンを経て米州大陸に渡り、ブラジリアブエノスアイレスを経て北へ向かい、フィラデルフィアを経由してGMT21時(日本時間12日6時)にはニューヨークのイベントが開始されます。国連本部で開かれる「100周年記念炉辺談話」と題するイベントでは、国連のリーダーらが国際体系の中でILOがうまく機能できる方法について議論を交わします。

 メキシコシティを経てGMT23時(日本時間12日8時)からペルーで開始される最後のイベントでは、ILO中南米・カリブ総局の建物全体を覆った壁画の除幕式が行われ、次の100年間の仕事の世界を構築する人々の目に過去の業績を永久に刻み、インスピレーションを与えることを目指します。

 このツアーを主催するILO広報局のマーティン・マーフィー局長は、「ILOが与えてきた影響を祝し、未来に向けた計画の一端を示すには、ILOの活動のこの独特の幅広さと範囲を示すネット配信という方法が最適」と説明します。「24カ所のライブストリーミングと動画制作の調整は難しい作業でした」と告白するジャスティン・スミスILO上級ソーシャルメディア担当官は、誰もスイッチを入れずとも動画のライブ配信が自動で行われるウェブ・アプリケーションを作ることによって、制作作業のできる限りの自動化を図った苦労話を語っています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。