ガンビアにおける雇用集約型投資
ウェブページ|2018年10月18日
2018年に、ILOは、「ガンビアにおける若年雇用の創出による持続可能な平和構築」プロジェクトを始動しました。これはガンビア貿易・産業・地域統合・雇用省(MOTIE)との協力の下、日本政府の財政支援を受けて行われています。
このプロジェクトは雇用集約型インフラ建設作業による若者の雇用創出に焦点を当てたものであり、熟練及び非熟練の若者双方に、即時に多くの雇用機会を提供するものです。プロジェクトでは、ガンビアの経済成長と労働市場における持続可能な雇用創出の原動力である農業、観光業、漁業分野の発展に直接貢献するインフラを選定しました。またプロジェクトでは、地元で入手可能な資材の使用を促進していて、現在、建設作業に必要な物資のほとんどすべてはガンビア製となっています。出口戦略としては、プロジェクト終了後の持続可能性を確保するため、プロジェクトに関わるすべての働き手への技術訓練と起業支援が提供されています。
このプロジェクトでは、ガンビアへの技術と知識の移転にも力を入れています。実施パートナーとして、国際NGOの道普請人(CORE)が、地元の物資を活用した効果的な雇用集約型投資手法として、新たにガンビアに導入した土のう技術を活用します。ガンビア人の若い技術者4名が実施チームに採用され、技術移転と持続可能な建設技術の活用に取り組んでいます。
ILOは労働安全衛生(OSH)と適切な労働条件の促進を通じた「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事」の実現を提唱しています。また、プロジェクトでは機会平等の重要性も強調され、直接の受益者は女性50%、男性50%であり、帰還民と障害のある人もプロジェクトの受益者に含まれるように配慮しています。
プロジェクトはILOが推進する「平和と強靭性のための雇用促進計画:Jobs for Peace and Resilience (JPR)」という旗艦プログラムの一部であり、「若者のためのディーセント・ジョブのグローバルイニシアチブ: Decent Jobs for Youth」にも貢献します。これは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、特に目標8の「働きがいも経済成長も」、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」、目標9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標10の「人や国の不平等をなくそう」、そして目標16の「平和と公正をすべての人に」の実施に直接関与します。
ILOは雇用集約型投資手法を用いてガンビア政府の若者雇用促進を支援しています。ガンビアのディーセント・ワーク国別計画(2015‐2017年)の成果1.4(若者の即時の雇用創出と雇用可能性及び生計の機会の向上)では「若者の雇用機会が、特に若い女性について、公共事業における労働集約型手法により増加した」と述べています、
2007年に、ILOとUNDPはガンビア政府が「GAMBJOBS」(若者の失業と貧困に取り組み、国家雇用政策と雇用行動計画を策定する政策)始動するのを後押ししました。これには、1) 雇用政策の国のマクロ経済、産業セクター・社会政策での主流化、2) 労働市場政策と機構の強化、3) 自営業のための技能開発と訓練基金の設立、4) 公共事業における労働集約型技術の導入促進と、雇用と持続可能な生業の創出、が含まれます。ILOは、完全雇用、不完全雇用、そして児童労働に関する調査を行ううえでの技術支援も行いました。また、職場での安全に関する研修を、トリノのILO国際研修センターと共同で2009年に実施しました。
2006年には、ILOは欧州共同体(EC)が実施していた「アフリカ、カリブ海及び太平洋地域5か国の創造的産業の雇用と貿易拡大を通じた強化」プロジェクトを支援しました。このプロジェクトの目標は、雇用、貿易そして文化的多様性を強調した経済社会開発によって創造的産業の発展に貢献することです。活動の一環として、ILOは同国の交通網における車軸重荷の管理と、支線(生活)道路管理における国家道路当局(NRA)の能力強化の支援の2分野でガンビア政府と協力しました。ILOは主要交通網における車軸重荷の管理のための新たな部局の設立を手助けし、NRAの職員に対して、交通網管理、資材管理そして労働集約手法による道路の修復整備の研修と教育を行いました。このプロジェクトの下、141kmの支線道路が修復されました。
タグ:雇用、労働集約型雇用、インフラ、投資
対象の国及び地域:アフリカ、ガンビア