「社会的保護の土台」をすべての人に

すべての人に「社会的保護の土台」を構築する

プログラムの概要について

ILOの主要プログラムのひとつ、「社会的保護の土台」プログラムは2016年に開始しました。包括的な社会的保護制度の21カ国での確立と、知識開発と教育のキャンペーンを通して、2020年までに13000万人の生活に変化を与えることを目標としています。

73%が変化を必要としています。

今日、世界の人口の73%が十分な社会的保護へのアクセスが出来ていません。毎日、50億人が不安な暮らしをしています。国内で社会的保護の土台を実施すること(基礎レベルの社会的保護)により、子どもたちの生活や、就労年齢の男女、高齢者の人々の生活に変化を与えることでしょう。これにより、貧困や格差が減少し、成長や発展の強化につながります。
社会的保護の土台への投資→ 所得保障・就学・訓練・保健衛生→ 雇用可能性・生産性→ 家計消費と国内需要の増加→ より多くのディーセント・ワーク・納税 という良好な循環が開発の好循環になります。

社会的保護の土台を支援するためのプログラム

 

本プログラムは持続可能な開発目標1の3「各国において適切な社会保護制度及び対策を実施する。」に貢献するものです。プログラムの目的は次のとおりです。

  • ほかの国連機関と共同で21カ国の政労使、市民社会を支援し、各国に適した機能的な社会的保護の土台を示し、実践する。
  • 知識開発と知見の共有により、ILOの価値基準と国際労働基準の促進を図ることで、社会的保護の土台グローバルキャンペーンに貢献する。

21カ国についてはこちら

  • アフリカ地域:カーボベルデ、カメルーン、マラウィ、モザンビーク、ニジェール、セネガル、トーゴ、ザンビア
  • アラブ地域:パレスチナ管轄地区、
  • アジア太平洋地域:カンボジア、インド、インドネシア、ラオス人民民主共和国、ミャンマー、パキスタン、東チモール、ベトナム
  • ヨーロッパ、中央アジア:キルギスタン
  • 南米:エルサルバドル、ホンジュラス、パラグアイ

2020年までに1億3000万人の生活を変えよう

過去10年間で、ILO136カ国の社会的保護制度の改善に寄与してきました。今回の社会的保護の土台プログラムでは、段階的な関与から、より大規模なプロジェクトに移行させる予定です。プログラムの実施と、13000万人の生活を2020年までに変えるためには5000万ドル、これは一人当たり0.4ドルのコストしかかかりません。ILOは政府高官とのパートナーシップを活用して、最終的には多くの人に影響を与えるような大幅な制度改革につながるよう活動しています。

財団や企業を含む官民のドナーは、プログラムの中核となって、意思決定に参加することになります。影響力についての調査プログラムのために開発された測量ツールによって、定期的に結果報告を受けます。ドナーは初期投資のみを行い、社会的保護制度の経常費用については負いません。こうした取組みを通して多くの人々の生活に変化をもたらすのです。

英語原文はこちらより