2014年「世界の先住民の国際デー(8月9日)」

国連人権高等弁務官/ILO事務局長共同メッセージ:ギャップを埋めて先住民族の権利を実現

2014年08月08日

 2014年の「世界の先住民の国際デー(8月9日)」に先立つ8月8日に、ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官とガイ・ライダーILO事務局長は、人権基準の確立など祝賀すべき要素は多数あるものの、貧困や差別など検討すべき課題も多いとして、先住民族の権利の完全なる実現に向けて活動のさらなる拡充と協力体制の強化を約する以下のような英文メッセージを発表しました。

 国際デーに合わせて制作されたスライドショーは、世界全体で約3億7,000万人を数える5,000以上の民族で構成される先住民族の人々の写真と共に、先住民の貢献と、貧困や差別、意思決定からの排除などといった直面している課題に光を当てています。この状況の改善に向けて、ILOの「先住民及び種族民条約(第169号)」や先住民族の権利に関する国連宣言などが採択されていますが、包摂的で公正な社会への道のりはまだまだ遠いように見られます。

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 「世界の先住民の国際デー」を迎える今日、先住民の人々と協力して包摂的な社会を構築する基礎となる堅固な人権基準の確立など祝賀すべき要素は大いに存在します。「先住民族の権利に関する国際連合宣言」及びILOの「先住民及び種族民条約(第169号)」の痕跡は今日、世界中で多くの国の法、政策、制度に見出すことができます。これは先住民族の権利を理論から実際に移すことが可能であり、有益であることの明確な証です。

 しかしながら、立ち止まって考えるべき事項もまた、多数存在します。先住民族が貧困に苦しむ割合は不均等に多く、組織的な差別と政治及び経済における意思決定の場からの排除に直面しています。世界中すべての地域で今もなお、人権に関する公約と先住民の人々が直面している現実の間に存在する大きな隔たりが目につきます。こういった理由から、「ギャップを埋めて先住民族の権利を実現」という今年の国際デーのテーマは、これ以上ないほど適切であるように思われます。

 私たちは差別の撲滅、先住民族の文化、アイデンティティー、制度の尊重確保、文化の多様性に対する先住民族の貴重な貢献の促進、先住民族の文化的遺産と資源の保護に向けた取り組みを強める必要があります。公約と現実の隔たりを埋める新たな誓いが必要です。この公約を示すことのできるまたとない機会として来月ニューヨークで史上初の先住民族世界会議が開かれ、国連加盟国と先住民族が一堂に会します。世界会議は先住民族と共に、先住民族の権利の促進及び保護に向けた活動の強化につながる実際的な行程表を策定する機会となります。これには「先住民族の権利に関する国連宣言」実行のための行動計画や採択25周年を迎えるILO第169号条約のさらなる批准を含むことができるでしょう。世界会議はまた、先住民族の権利を十分に反映した「持続可能な開発目標」など、誰も取り残さない包摂的な2015年以降の開発課題の策定に寄与すべきです。

 先住民族の権利の実現に向けた隔たりを埋めるにはまた、国連による現地活動の強化と各国の政府及び先住民族との協力の緊密化も求められます。このことを趣旨として、ILO、人権高等弁務官事務所、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)は、機関間事業として国連先住民族パートナーシップ(UNIPP)を立ち上げました。このパートナーシップの下で展開される活動は先住民族事項を扱う国連機構の提案に基づいています。この活動が現場に与えた具体的な影響に関しては、最近出された報告書『UNIPP Success Stories: Cooperating to promote and protect indigenous peoples' rights(UNIPPサクセス・ストーリー集:先住民族の権利の促進及び保護に向けた協力)』にまとめられています。

 ILOと人権高等弁務官事務所は先住民族の権利の実現に向けた隔たりを埋め、その完全なる実現を達成するために積極的な活動を拡充し、先住民族その他のパートナーと協力していくことをここに約するものであります。