第20回国際労働統計家会議

より良い仕事の測定方法に関する合意を目指して第20回国際労働統計家会議間もなく開幕

2018年10月02日

 2018年10月10~19日にジュネーブのILO本部で開かれる第20回国際労働統計家会議では、労働統計をまとめ、表示する方法に関する大幅な改定が行われる予定です。

 会議では次のような事項が予定されています。

  • 新たな種類の労働関係や非公式(インフォーマル)労働を考慮に入れた形での「従業上の地位国際分類(ICSE)」の改定
  • 仕事または労働、就業、労働力の不完全活用に関する統計の更新・表示に関する新たなツールの発表
  • 労働力移動、強制労働、技能ミスマッチの測定に関する新たな統計指針
  • 国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に沿ってディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をモニタリングするための指標の確定

 国際労働統計家会議の今回の活動は、2030アジェンダで発せられた「データ革命」を求める呼びかけに応える形で進められます。とりわけ仕事または労働、就業、労働力の不完全活用に関する新たな基準を測定するツールを提供することによって新たなデータ収集方法を見つけ、その利用しやすさを向上させることを目指しています。新たに登場しつつある労働関係の種類と技能要件に関する最新の情報を新たに捕捉するという点でILOが100周年記念事業の一つとして展開している「仕事の未来イニシアチブ」を支えることも期待されます。

 ILO加盟国から主として労働担当省庁及び各国統計局を代表する政府側専門家に加えて労使団体の専門家が出席し、国際機関や地域機関、その他の利益集団のオブザーバーも参加し、労働統計分野の国際基準を設定する場として広く認められている国際労働統計家会議は、1923年の第1回会議開催以来、ほぼ5年おきに開かれています。会議で採択された新たな国際基準に関する提案は承認を求めてILO理事会に提出されます。

◎見えないものを可視化する:第20回国際労働統計家会議についてILO統計局長が語る

ラファエル・ディエス・デ・メディナILO統計局長

 労働統計の専門家が世界中から参加する国際労働統計家会議は、労働統計に関する国際的な基準を設定する機構として、1923年に初めて開催されてから、仕事の世界の測定と分析のためにその時々に世界中で労働統計家に用いられている基本的な概念の定義について合意に達してきました。第20回国際労働統計家会議ではこの伝統的な役割に加え、特に未来を見据えた話し合いが行われる予定です。

 その一つは、新たに登場してきた就労形態や労使関係の変化に応え、労働関係を分類し、非標準的な就労形態を測定する画期的な新しい方法について検討することです。

 もう一つの大きな関心分野は「持続可能な開発目標(SDGs)」関連です。あらゆる開発分野の道しるべとしてSDGsの指標枠組みが考案されましたが、ILOは複数の指標のモニタリングについて責任を持つ機関となっており、SDG8に含まれるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関連したターゲットに係わる進捗状況を測定する基盤となるデータと統計の収集・公表に関して各国を支援するよう求められています。各国はSDGsの実施における達成状況を報告するよう義務づけられていますが、ILOでは測定の助けになるハンドブックを発表する予定です。また、各国の指標生成及びより多くのより良いデータの収集に向けたツールの整備を手助けしていきます。

 2013年に開かれた第19回会議では、有償の雇用だけでなく、無償労働やボランティア労働、研修などを含む形で労働の概念が初めて定義されました。既に多くの国で雇用その他の労働形態を統一的な形で測定するためにこの統計基準が用いられていますが、すべての国による実施が必要なため、この採用過程を加速させる助けになることを目指して新たなツールが発表されます。

 ILOでは現在、来年の創立100周年に向けて仕事の未来に関する議論が展開されていますが、今回の会議においても一連の関連事項が取り上げられます。しばしばグローバル化によって推進されている非標準的な就労形態の増加を一因とした雇用形態の多様化を統計に捕捉する必要があり、実態把握に向けて統計制度の変更・革新が大いに求められていますが、新たな職業や展開に関する指標や趨勢をもっと効果的に捉える必要性、政策策定に携わる人々が理解し行動できるよう力を付けさせる必要性があります。

 仕事の未来について検討を行っている仕事の未来世界委員会の関心事項の一つとして、国内総生産(GDP)を超えて経済発展・社会開発を適切に測定できる方法が挙げられます。例えば、無償労働や労働力の流動性、仕事の質といった今後一層重要になるであろう論点を議論の中に組み込む必要があります。2013年の会議や今回の会議の決定事項を議論に組み込めば、GDPのような古典的な尺度を補う助けになるのは確実です。

 知識に拠って立つ機関として、ILOは労働統計の世界的な参照基準、ディーセント・ワークに関する時宜を得たデータに関して責任を持つ中心的な機関としての立場を固めることを目指して統計を重要視しています。ILOはもっと事実に根ざした機関になる必要があります。ILOは価値に根ざした機関であり、それはそれで重要なのですが、パートナーや加盟国政労使に対する政策助言は、納得できる根拠や事実を用いて構築する必要があります。ILOの事業計画・予算には部局横断的な事項が含まれ、あらゆる成果に統計的な側面があります。そこで、ILOの政策作業が事実と根拠に根ざしたものとなるよう、統計を活動の一部に組み込むのを許す調整を図った活動が必要です。

 SDGsによって良質のデータを収集する必要性に光が当てられました。ILOにとっての主な課題はそこで、世界中で統計基準が実施されるようパートナーと協働することです。このために、各国と直接あるいは国際研修センター等を通じてこの分野における能力強化を図っています。

 ILOは過去2年、国連の家計調査事務局間作業部会の議長を務めたことによって、知名度が上がり、世界銀行など他の主な国際機関とも統計収集における交流が促進されました。また、国連統計委員会の活動にも活発に参加しています。

 会議の事務局責任者であるラファエル・ディエス・デ・メディナILO統計局長は、以上のように今回の会議の期待される内容について説明した上で、より幅広い知識管理手法の枠組みの中に統計の側面と信頼の置けるデータが組み込まれることへの期待を示し、より良い統計は活動の分析面が信頼の置ける確固たるものであることを確実にすることができ、これはまた事業計画立案に際して活動の焦点と影響力を改善する助けになるであろうと語っています。そして、正しい方向に進んではいるものの、行うべきことはまだとても多いと説いています。

 来年のILO創立100周年に関しては、これはILOの地位と知名度を世界的に高める重要な機会であるとして、この機会を用いて、ディーセント・ワークとILOに付託された任務の中核にある事項が誰にとっても関係があることをより多くの人々に納得させるべきと提案しています。その上で、私たちの活動は目に見えないものを可視化し、政策策定に携わる人々が取り組む必要がある重要な事項を際立たせる助けになると結んでいます。

 以上は次の2点の英文広報資料の抄訳です。

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