運輸産業
新型コロナウイルスの世界的大流行の中で運輸労働者の保護、サプライチェーンの確保に向けて国連諸機関その他国際団体が共同行動グループを結成
2021年12月13日
新型コロナウイルスの世界的大流行に対応して諸国で導入された渡航制限の一部は運輸労働者の安全と健康を損ない続けており、医薬品その他の必要不可欠な物資の輸送を含み、世界のサプライチェーン(供給網)の継続的な機能に対する脅威を呈しています。とりわけ、オミクロン変異株登場後に実施された最新の渡航禁止や国境閉鎖はこの危機を悪化させています。
世界350万の運輸会社を代表する道路運送の国際業界団体である国際道路輸送連盟(IRU)と世界1,900万人の運輸労働者を代表する国際運輸労連(ITF)は、2020年からコロナ禍に関連した運輸労働者の労働条件改善と産業の生き残りに向けた支援を国際機関や各国政府に訴えてきました。2021年9月には国際航空運送協会(IATA)及び国際海運会議所(ICS)と共に、国連に共同公開書簡を送り、運輸労働者に移動の自由を回復してくれるよう緊急の嘆願を行いました。クリスマス・年末年始の休暇シーズンを前に、劇的な需要増、新型コロナウイルスによる制限の継続、運転手不足、燃料価格の急上昇によるサプライチェーンのさらなる混乱を懸念したIRUは、11月に再び、サプライチェーン危機に対する緊急の取り組みを諸国政府に訴える緊急の呼びかけを発しました。
2021年12月6日に、このように新型コロナウイルスの世界的大流行の結果として運輸労働者が直面している深刻かつ切迫した課題に注意を喚起するウィリー・ウォルシュIATA事務局長、ガイ・プラッテンICS事務局長、ウンベルト・デ・プレットIRU事務局長、スティーブン・コットンITF書記長と会談した、ガイ・ライダーILO事務局長と世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、これら運輸部門の国際組織と共に、世界の運輸労働者とグローバル・サプライチェーンに対する新型コロナウイルスの世界的大流行の影響を吟味する共同行動グループを結成することとしました。グループには、ILOとWHOに加え、国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)も加わっています。
グループは以下のような事項に焦点を当てた活動を行います。
- WHOの2005年の国際保健規則に基づく諸国の義務に沿って、国境を横断する運輸労働者の権利を守り、移動を円滑化する作業手順の各国機関による適用促進
- 国際旅行措置に係わる、リスクを基盤とした手法に関する2005年の国際保健規則に基づくWHOの臨時勧告の各国による実施の支援
- WHOの予防接種に関する戦略諮問委員会(SAGE)の勧告に従った運輸労働者の新型コロナウイルス・ワクチン接種並びに船員が保健医療及び患者搬送が得られることの促進
- 公衆衛生上のニーズが十分に守られることを確保しつつ、グローバル・サプライチェーンの効率的な運営の改善を図ること
共同行動グループは状況の変化について話し合い、達成された進歩を評価し、残された課題の克服に向けた将来的な行動について合意するために定期的に会合を持つ予定です。
ガイ・ライダーILO事務局長は、世界の運輸部門とその労働者が新型コロナウイルスの世界的大流行からもたらされている巨大なプレッシャーと困難になおも直面していることを挙げ、したがって、こういった労働者に対する新型コロナウイルスの世界的大流行の影響を吟味し、国際的に合意された手順や基準の適用を各国政府に奨励する共同行動グループの結成を歓迎しました。テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長も、新型コロナウイルスの世界的大流行はなおも世界中で人の健康、国際的な交易と旅行に悪影響を与え続けている国際的に懸念される公衆衛生の非常事態であり続けていることを指摘した上で、国境を横断する運輸労働者の健康を保護し、緊急の人道的な派遣、必要不可欠な人員、帰国、必要不可欠な物資の貨物輸送のための渡航業務の維持を「決定的に重要」と唱えています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。
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