第325回ILO理事会
ILO理事会で世界的難民危機に対する仕事の世界の対応について討議
2015年11月06日
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の最新の推計によれば、危機や紛争、災害などで従来住んでいた土地からの退去を余儀なくされた人は2014年末現在で6,000万人以上を数え、この大部分の86%あまりが途上国に受け入れられているとされます。
2015年10月29日から11月12日の日程でジュネーブのILO本部で開かれている第325回ILO理事会では、このような難民の非常事態に対するILOの適切な対応を確定することを目指して話し合いが行われました。ガイ・ライダーILO事務局長は、この世界的な難民危機は誰もが何らかの影響を受けている真にグローバルな問題であり、あらゆる国と人々の連帯を要請していることを強調し、効果的な対応に貢献してくれるよう加盟国政労使に呼びかけました。さらに、多くの国で多数の難民の受入が時には既に何十年にもわたっているといったようにこの危機は決して新しくないことに注意を喚起して、即時の人道的な緊急対応を越えた長期的な視野を持ち、受入社会が受けている影響に確実に対処する、開発指向型の行動の必要性を訴えました。そして、移住が公正なものとなるためにはそれが合法的かつ秩序だった形で行われる必要があると説き、難民に対する援助を移民労働者のための政策と関連づける必要性を指摘しました。
この危機に対してILOが演じるべき決定的に重要な役割に対しては労使理事からも支持が表明されました。ロニー・ゴールドバーグ使用者側理事は、ILOは人道機関や救援機関ではないことに注意を喚起した上で、「先行対策的で透明かつ予見可能なように」国境を越える動きを管理する必要性を強調しました。さらに、ILOがその独特の場と専門知識を活用して注力し得る分野として、移民の効果的な保護、しっかりとした労働市場のニーズ評価、移住や移動の上手な統治に向けた社会対話の諸分野を挙げました。リュック・コルトベック労働者側理事は、ILOには難民危機が労働市場に与える影響に取り組み、出身国と受入国の双方で政策設計を支援する大きな役割があることを強調しました。
ILOは既に移民と難民の就労機会改善に向けた様々なプロジェクトに係わっています。これには、シリア難民に短期の就労機会を提供しているヨルダン北部における農業基盤構造投資計画、トルコのシャンルウルファ県における雇用潜在力研究、さらにエチオピアやコスタリカ、エジプト、ザンビアにおける強制移住に関するUNHCRとの合同計画などが含まれます。
熱心な討議を経て、理事会は労働力移動や難民向け開発協力活動強化方法などの事項も含み、2016年3月に開かれる次期理事会でこの問題の検討を続けることを決定しました。
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以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。