第19回ILO米州地域会議
第19回ILO米州地域会議開幕:社会正義を伴った仕事の未来のカギを握るのは社会対話と説くライダーILO事務局長
2018年10月02日
2018年10月2日にパナマ市で開幕した第19回ILO米州地域会議の開会演説でガイ・ライダーILO事務局長は、「労働関係の観点から私たちが望んでいる変化が自然に起こるとは期待できません。前提条件を伴わない真の対話を通じた社会正義の追求が必須ですが、社会対話がおとしめられることが多くなっています」と説いて、すべての人にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が実現し、社会正義を伴った未来を構築する手段として真の社会対話を求め、出席している35カ国以上の米州地域の政府、使用者、労働者の代表に対して地域の課題に取り組むために協働することを呼びかけました。
2014年に6.1%だった失業率が2018年上半期には8.8%に上昇し、1億4,000万人近くが非公式(インフォーマル)経済で働くこの地域では不平等が最大の課題の一つです。ライダー事務局長は社会の不平等、不公正が進み、ILOが進歩を目指して設けた社会正義の理想からますます離れてきている現状を指摘し、グローバル化の恩恵を受けていないと感じている人々、現在の物事のあり方から恩恵を受けていない人々が世界中に何百万人も存在することを挙げました。
ILOが創立100周年を迎える2019年には仕事の未来を中心的なテーマとする議論が行われます。ライダー事務局長は仕事の未来に関する議論はすべてを包含したものとすべきであり、労働者及び使用者の権利を守り、持続可能な企業の育成を刺激するような環境下で行われるべきことを提唱した上で、多くの課題を抱える米州は、仕事の過去、現在、未来の問題が交錯する場であると指摘しました。そして、「変化の中心にあるのは科学技術であるものの、未来はそれだけでは決まらない」として、科学技術決定論の罠に陥らないよう忠告し、「自分たちの望む仕事の未来は私たち自身、政府、労働者、使用者で形成すべき」と訴えました。
地域会議は3日間の日程で、移住の流れ、若者の就労、男女平等、先住民の状況、そしてカリブ島嶼国が特に影響を受けている気候変動といった、米州が直面している数々の課題を取り上げて話し合いを行います。原則として4年毎に開かれる地域会議は、地域の労働市場の動向や各国の雇用政策、社会対話や国際労働基準の適用状況などについて分析する理想的な場を提供しています。
以上はパナマ市発英文記者発表の抄訳です。