第108回ILO総会

第108回ILO総会開幕:この100年で最も奥深く、変革を起こすほどの変化に光を当てるライダーILO事務局長

2019年06月10日

 2019年6月10日にジュネーブで開幕した第108回に当たる創立100周年記念ILO総会には、日本を含む187加盟国から6,000人近い、政府、使用者、労働者の代表が参加しています。会議には40人以上の国家元首・政府首脳の出席も予定されています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は開会挨拶で、仕事の世界はこの100年に見られたうちで「最も奥深く、変革を起こすほどの」変化に直面しているとして、この決定的な課題に取り組む責任を引き受けることを出席者に呼びかけました。さらに、今の時代の不確実性と不安定性は、「安定性と平和にとって社会正義の達成がいかに本質的であるか、そして人類の福祉の前進にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会がいかに必要不可欠であるか」を強調するものであると指摘しました。

 100周年記念ILO総会では、仕事の未来とILOの未来に終始した議論が行われますが、事務局長はこれについて次のように説明しました。「これは回答と行動が緊急に必要であるものの、それを提供できる私たちの集団的な能力が問われている瞬間において、そして人々が自分の人生の制御権を取り戻す必要を感じているように見える時代において、人々にとって最も重要な問題に取り組むということなのです。実際のところ、仕事の未来とは、私たちの決定、私たちの選択、それをフォローアップできる私たちの能力、そして協力し合ってディーセント・ワーク、社会正義、平和の絶え間ない前進を図ることによって仕事の未来を望ましいものとする私たちの意欲の帰結物となることでしょう」。また、ILOの比類ない長生きの秘訣として、事務局長は、社会正義に向けた使命、政労使三者による構成、そして変化の課題から逃れるのではなく、適応し、それに立ち向かう恒常的な能力の3点を挙げました。

 ハイレベルゲストの先頭を切って演説したスイスのアラン・ベルセ大統領は、ILOに付託された任務を「史上最も野心的な国際的社会契約」と表現し、スイスは社会正義、社会的組織、世界平和の構築などの本質的な価値をILOと共有していると述べました。そして、労働条件における不平等が拡大する時代において、諸国間の共通の基準を確保する必要性がかつてないほど高まっており、だからこそILOの今後の役割は非常に重要になろうと指摘しました。

 開会式には今会期国連総会のマリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス議長も駆けつけました。議長は、数百万の人々が非公式(インフォーマル)経済で働くか、働く貧困層に陥っているといったように、世界は大きな変化と課題に直面しており、社会正義の達成に向けたILOの理想像と使命はかつてないほど重要になっていること、そしてとりわけ科学技術には生産的な職を創出し、包摂性や教育訓練を支え、差別と戦う潜在力が秘められていることを指摘しました。また、仕事の世界が直面している最大の課題の一つとして男女不平等を挙げ、これは不正義で持続可能でない状況を作り出しており、男女平等のない仕事の未来は考えられないと強調しました。

 総会は2週間の会期中、仕事の世界に変革を起こすような数々の変化について話し合い、仕事の未来に関する画期的なILO100周年記念宣言の採択を検討し、新しい国際基準の採択を目指して職場における暴力と嫌がらせ(ハラスメント)の問題について審議を行います。

 総会の議題、討議資料、スケジュールなど詳細については第108回ILO総会のウェブサイトをご覧下さい。会期中の最新の動きは次のハッシュタグを用いて随時ソーシャルメディアを通じてお知らせします(英語#ILO100、仏語及び西語#OIT100)。会期中には毎日、その日の出来事のハイライトやインタビュー、各種リポートをデイリーショーとして配信します。デイリーショーに加え、本会議の討議模様、ハイレベルゲストの演説はライブ動画及び録画動画でご覧になれます。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

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