第108回ILO総会

第108回ILO総会9日目:世界のリーダーらが仕事の未来に関する行動を呼びかけ

2019年06月19日

 2019年6月10日にジュネーブで開幕した第108回に当たる創立100周年記念ILO総会には、日本を含む187加盟国から参加する5,700人以上の政府、使用者、労働者の代表に加え、40人以上の国家元首・政府首脳級のハイレベルゲストが出席しています。

 総会9日目には6人のハイレベルゲストが出席し、仕事の未来などについて演説しました。

 レソトのレツィエ三世国王は、「労働市場の脆弱な構成員を置き去りにしたままで仕事の未来について語ることはできない」とした上で、もう一つの留意事項として、「急速な技術進歩、そしてロボット工学や自動化などのその他の変遷の到来によって労働市場が直面している新たな課題」を挙げ、「人間の独創性が知識を基盤とした革新的な取り組みと組み合わさった時、雇用創出が起こることは経験が教えてくれています」として、労働力の技能構築・再構築に向けた努力の倍加、そしてこの急速な技術進歩の時代において労使が共に互いを見つける必要性を説きました。

 キューバのサルバドール・アントニオ・バルデス・メサ第一副大統領は、ILOが100周年を迎えている環境の複雑さを指摘しました。「地球規模の問題を解決する手段として多国間主義を切り捨てる考えや行為がいかに広がり、それがいかに危険な対立、攻撃的な話術、免責、不当な要求を育んでいるかを懸念と共に見守っています」として、「私たち皆がILOとその使命に対する公約を強めることが至上命題」と訴えました。

 コロンビアのイバン・ドゥケ・マルケス大統領は、第4次産業革命が仕事の未来に大きな課題を提示していることを指摘し、「ILOがこの第4次産業革命の課題と利益に関する議論のリーダーとなるべきと固く信じています」と唱えました。さらに、社会正義の出発点として、「明確さと野心、そして労働市場は社会における正義の支柱であることを確保する意欲」を挙げました。

 ポルトガルのアントニオ・コスタ首相は、仕事の未来世界委員会の報告書を賞賛し、未来は「人間の意思と私たちが行う選択にかかっている」と説きました。科学技術については「社会に奉仕すべき」とし、「人々の労働だけでなく、より良い暮らしを助けるべき」と強調しました。そして、「仕事の未来は下向きの競争ではなく、その逆でなくてはならない」として、「最善の社会モデルを選び、より包摂的であり、仕事と労働者に対するより大きな尊厳」を求めました。

 コスタリカのマルビン・ロドリゲス・コルデロ副大統領は、仕事の未来の新たなパラダイムに取り組むには、「人類とその尊厳を中心に据え、労働者の基本的な権利と人権一般を尊重するような包括的な政策を設計・策定」する必要性を説きました。

 バルバドスのミア・モトリー首相は、「政府だけ、資本だけ、労働者だけでは私たちの国の暮らしの向上と国家の発展の前進を図ることはできない」とした上で、「変化の速度」とは、「唯一確かなものは私たちが大切にする原則であることを意味する」として、「仕事の尊厳、仕事の働きがいを私たちに尊重させる原則、負担や収穫物を公正に分かち合う原則」を「唯一不変の定理」であると唱えました。

 ハイレベルゲストの演説はライブ動画及び録画動画でご覧になれます。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。