第106回ILO総会

第106回ILO総会開幕:大いに必要とされている仕事の世界のグリーン化を呼びかけるILO事務局長

2017年06月05日

第106回ILO総会におけるガイ・ライダーILO事務局長開会演説模様(英語)

 日本を含む187のILO加盟国の大半から政労使代表計5,000人以上が参加して2017年6月5日にジュネーブのパレ・デ・ナシオン(国連欧州本部)においてILOの年次総会である第106回ILO総会が2週間の日程を開始しました。開会の辞を述べたガイ・ライダーILO事務局長は、2019年に迎えるILO創立100周年を前に、ILOの歴史の最初の100年と次の100年を最も明確に画するであろうものとして、「仕事の世界をグリーン化する必要性」を挙げ、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」並びにパリ協定及びそれに基づき各国が示した公約は今日、「私たちが構築した政労使三者の合意をILOの幅広く実践的な加盟国との活動に転換するまたとない機会」を提供すると指摘しました。

 事務局長は今年の総会に『Work in a changing climate: The Green Initiative(気候変動と仕事:グリーン・イニシアチブ・英語)』と題する報告書を提出しました。この事務局長報告について、ライダー事務局長は、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の創出並びに力強く均衡の取れた成長及び開発のための強力なエンジンとなり得る生産グリーン化の潜在力」に光を当てるものとして紹介し、「移行を発生させ、それを公正なものとする正しい政策」の必要性を指摘した上で、これには「仕事に関わるあらゆる変化のプロセス同様、政労使の社会対話を通じた努力の結集」が求められることに注意を喚起しました。

 今年の総会では労働力移動の統治に関する一般討議も行われますが、ライダー事務局長は、憲章上のILOの責任事項であるこの問題が現在、国際的な政策課題の最上位にも位置していることに触れ、今総会における議論の結論が、来年の国連総会におけるこれに関するグローバル・コンパクトの採択に向けた議論に資することへの期待を述べました。そして、安全かつ秩序だった正規の移住を実現する統治形態の構築には一人一人の参加が必要なことを強調し、「今総会はそのための出発点となる機会を提供する」と語りました。

 開会式に続き、ウルグアイのタバレ・バスケス大統領による来賓演説が行われました。ライダー事務局長から、「民主主義を求める闘いにおいて近年勝利し、政治の対話文化と強固で頑健な制度・機構を今日有する国」の代表として紹介された大統領は、政府、労働組合、使用者団体の間の社会対話を、「社会契約と民主主義のカギ」であり、持続可能な進歩に不可欠なものと位置づけました。また、未来を座して待つのではなく、「皆のためになる仕事の世界」の構築を呼びかけました。そして、1919年からILOに加盟している創立メンバーとして、ILOの創立原則及び100周年記念イニシアチブに対する同国の支持を改めて表明しました。

 総会はまた、議長として、パナマのルイス・エルネスト・カルレス労働・労働力育成大臣、副議長として、ヨルダンのサジャ・S・マジャリ政府代表、スペインのホセ・マリア・ラカサ・アソ使用者代表、カナダのマリー・クラーク・ウォーカー労働者代表を選出しました。

 危機や紛争、災害からの国の復興のカギを握るのは、ディーセント・ワークの機会の促進です。今総会では「1944年の雇用(戦時より平時への過渡期)勧告(第71号)」の改正提案の審議を通じて、平和と安定性を最もうまく促進する方法が検討されます。また、「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」をフォローアップするものとして、就労に係わる基本的な原則と権利に関する議論が行われます。世界各国の労働者の権利の状況に関する討議が行われる基準適用委員会では、今年は、労働安全衛生の促進的枠組みや建設業、鉱業、農業における労働安全衛生に関する総合調査をもとに、労働安全衛生に関する基準が取り上げられます。6月15日に開かれる仕事の世界サミットでは、マルタ、モーリシャス、ネパールの3人の女性大統領の参加も得て、労働市場における女性の状況に関する話し合いが行われます。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。