地域モデル職能基準:家事労働
2,150万人の家事労働者を助けることになるILOの新たな基準
2015年02月02日
ILOはアジア太平洋地域内の国々における技能の相互認定と訓練制度の改善を加速させる助けになることを目指し、域内諸国政労使と協議の上、観光業、製造業など複数の産業について地域モデル職能基準(RMCS)を開発していますが、このたび、その最新版として家事労働に関する基準『Regional model competency standards: Domestic work(地域モデル職能基準:家事労働編・英語)』を作成しました。
アジア太平洋地域では世界全体の約4割に当たる2,150万人近い家事労働者が働いていると見られます。今年行われる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域統合の中でこの地域基準が適用され、国境を越えた技能の相互認定が確保されたならば、家事労働者の状況が大いに改善されることが期待されます。
地域モデル職能基準は、主として訓練の開発・実行、訓練成果の評価、個人が保有する技能や職能の評価を通じて効率的かつ効果的な技能開発を下支えする参考基準して全地域的に利用してもらうことを目指しています。家事労働の地域モデル職能基準は、家事労働者の仕事を、掃除と基礎的な家事、料理と食品の取り扱い、子どもや高齢者、ペットや植物の世話などといった家事労働者の主な仕事内容に加え、コミュニケーション能力や仕事の管理・計画能力といった中核的な職能も含む六つの機能領域、23の職能単位に分割し、業務の遂行に必要な技能や知識を示しています。現在国内基準を開発中の国や既存の基準の見直しを進めている国にも有用なものとなることが期待されます。
西本供子ILOアジア太平洋総局長はこの基準の実行が域内の家事労働者に大いに益することへの期待を表明しています。ILOの専門家チームを主導して基準の開発にあたった坂本明子ILO技能・就業能力専門官は、自国で取得した技能の公的な認定を必ずしも受けていない移民が多いことを指摘して、移民労働者の権利を保護し、また帰国後のより良い再統合を確保するためにも、このような基準は必要不可欠であると唱えています。地域モデル職能基準の開発を担当してきたカルメラ・トレスILO技能・就業能力上級専門官は、2015年のASEAN統合に照らし合わせると特に、家事労働者の技能開発と技能認定はそのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進という課題を満足する上での重要な部分であることを指摘して、利害関係者間の協力の大切さを説いています。
本書はILOアジア太平洋地域技能計画(RSP)の専門家らによって作成されました。同計画はまた、技能及び就業能力に関する知識・経験交流のためのオンライン・プラットホームであるアジア太平洋技能・就業能力実務コミュニティーも運営しています。
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以上はILOアジア太平洋総局によるバンコク発英文記者発表の抄訳です。