持続可能な開発目標

2030年までに達成すべき開発課題固まる:仕事の世界にとっての大躍進

2015年08月04日

 2015年を達成目標年とするミレニアム開発目標の後継目標として、国連は今年9月25~27日に開催する特別サミットで、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標の採択を目指して話し合いを行うことになっています。去る8月1日に発表されたこの最終原案『Transforming our world: The 2030 agenda for sustainable development(私たちの世界を変える:2030年までに達成すべき持続可能な開発課題)』の全体にわたってILOが唱える「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人へ」の考え方が流れ、17の個別目標の一つとして、「持続的・包摂的・持続可能な経済成長、生産的な完全雇用、すべての人のディーセント・ワークの促進」の目標(目標8)が盛り込まれたことについて、ガイ・ライダーILO事務局長は、「素晴らしいニュース」として歓迎しました。

 目標の進捗状況を測定する169のターゲット指標の中には、若者の就労、児童・強制労働、技能向上、女性の地位向上(エンパワーメント)、生産性上昇及び生産的な雇用の増加に関するものも含まれています。また、すべての人の基本的な自由を尊重・保護・推進する必要性を再確認し、包摂的な成長及び持続可能な開発に対する移民の貢献や社会的保護の重要性を認めるものとなっています。

 2014年の世界の推定失業者数は2008年の経済・金融危機開始前の予想値を3,000万人上回る2億100万人に上ります。若者が受けている影響は特に大きく、昨年の失業者数は世界全体で約7,400万人(15~24歳)に達しています。持続可能な開発目標の下、世界は2030年までにすべての男女、若者、障害者などの生産的な完全雇用とディーセント・ワーク、そして同一価値労働同一賃金を達成することを目指していくことになります。とりわけ、若者の就労のための世界戦略の策定・実行を通じて、就労も就学も訓練受講もしていない若者の割合を5年間で相当程度減らす目標が掲げられています。包摂的な成長とディーセント・ワークの促進に係わるターゲットの中には、起業家精神、創造性、革新性(イノベーション)に対する支援や中小・零細企業の成長とフォーマル(公式)化奨励の目標が含まれています。また、女性移民や不安定雇用に就いている人を中心に移民を含むすべての労働者の安全かつ安定した労働環境の整備や労働者の権利保護も求められています。世界全体でいまだに2,100万人が従事していると見られる強制労働を撲滅し、現代の奴隷制や人身取引に終止符を打つ実効的な措置をただちに講じることも求められています。さらに、1億6,900万人が従事していると見られる児童労働のうち、まず最悪の形態のものの禁止と撤廃を確保し、2025年までにすべての形態の児童労働を全廃することを約するよう求められてもいます。

 ILOは「すべての人のディーセント・ワーク」の目標を包摂的な成長と持続可能な開発の中心に据えるために近年、政府、労使団体、多国間機関、市民社会と共に努力してきました。ライダー事務局長は、この目標の全国連加盟国による承認は「人類及びこの惑星が直面している膨大な課題に共に取り組むために必要な推進力を国際社会に与えるもの」と指摘して、「社会正義の前進にとって極めて重要なこの野心的なターゲットを達成できるよう、加盟国政労使及び開発分野のすべての関係者とILOは協働する用意がある」と述べています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。