ILO強制労働議定書
2014年の議定書を批准して強制労働撲滅に向けた新たなる戦いに英国が参戦
2016年01月22日
| 批准書寄託式典におけるブラッドリー英国虐待・搾取防止大臣(左)とライダーILO事務局長 |
ニジェールとノルウェーに続く1930年の強制労働条約の2014年の議定書の3番目の批准国として、2016年1月22日に英国が批准書を寄託しました。
英国には強制労働撲滅に向けた力強い記録があり、1930年の強制労働条約(第29号)は1931年、1957年の強制労働廃止条約(第105号)は採択年と、この分野の条約を率先して批准してきました。政府は既にあらゆる形態の強制労働の撲滅に向けた法的枠組みを強化する上で重要な一歩となった「英国現代奴隷制法」を2015年3月に成立させています。
2014年のILO総会で採択された議定書と強制労働(補足的な措置)勧告(第203号)は、1930年の強制労働条約に新たな措置を追加するもので、批准国に対し、強制労働を防止する措置を講じることに加え、被害者に保護と効果的な救済を得る機会を提供することを求めています。また、官民両部門に対し、強制労働を防止し、そのリスクに対応するよう十分な注意を払うことを要請しています。
批准書の寄託を受けたガイ・ライダーILO事務局長は、英国の批准について、「世界中で数百万の人々をおとしめ、隷属させているこの忌むべき行為に対する戦いの機運が世界中で盛り上がりつつあることの明確な兆候」と評価して、この重要な展開を歓迎しました。批准書を寄託した英国のカレン・ブラッドリー虐待・搾取防止大臣は、どんな産業でも強制労働は起こり得ることを認めた上で、人の困窮に乗じたこの商売から犯罪者が利益を得ることを「英国政府は放置しておかない」として、こういった理由から「ILOその他の国々と協働し、被害者に可能な限り最も強力な保護を与え、加害者を法に照らして処断するよう確保すること」を約しました。
英国は既に画期的な現代奴隷制法を通じて強制労働の罪で有罪とされた者の監獄送りの可能性を確実にしており、現在審議されている移住法案は、特定業種への労働者供給業者認可機関(GLA)に、搾取されている労働者について捜査する新たな権限を与えることを目指しています。強制労働と戦うために政府が設置した公的機関である労働者供給業者認可機関は、ILOが国際労働組合総連合(ITUC)及び国際使用者連盟(IOE)と共に主導している2014年議定書の批准運動である「自由のための50カ国(50 for Freedom)キャンペーン」の提携機関でもあります。他にもエシカル・トレーディング・イニシアティブ(ETI)や人権ビジネス研究所(IHRB)などの英国の団体がキャンペーンに参加しています。
ILOの調査研究からは強制労働産業から得られる利潤は欧州連合を含む先進国経済で最も高いことが示されています。現在、世界全体で2,100万人と推定される強制労働被害者を搾取して生み出される不正利潤は年間1,500億ドル近くになると見られます。家事労働から農業、漁業、建設業まで、強制労働は様々な形態を取り、少女や女性は特に商業的性的搾取の被害を受けています。
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