ILO新刊;若者の就業

ILO新刊:高等教育の不足によってディーセント・ワークに手が届かない途上国の若者は数百万人

2014年12月15日

 ILO若年者就業計画はマスターカード財団の協力を得て、知識と行動を通じて若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)機会を促進することを目指す5年間の協力事業としてWork4Youth(若者のための仕事)プロジェクトを展開していますが、その一環として行った若者の学校から仕事への移行についての調査結果は、中・低所得国では高い教育水準がフォーマルな仕事を確保する上でかなり頼れる保証になることを示しています。

 バングラデシュ、キルギスタン、エルサルバドル、チュニジア、タンザニアなど28の主に低・中所得国で2012~13年に実施された調査結果を総合的に分析したILOの新刊書『Is education the solution to decent work for youth in developing economies? (途上国経済の若者にとって教育はディーセント・ワークへ向かう解決策か?・英語)』は、27の低・中所得国(高所得国のロシアを除く)の調査結果を元に、中等後教育を修了した若者の平均10人中8人までが会社員や企業経営者といった脆弱でない就業形態にあることを示しています。低所得国の場合はこの保証効果は若干薄れるものの、それでも大卒若者の75%までが会社勤めの仕事を見つけることができています。下位中所得国では中等教育修了レベルでも10人中7人までが会社勤めの仕事を見つけられているのに対し、低所得国ではこの割合は10人中4人に過ぎません。低所得国の場合、より懸念されるのは若者の4人に1人が全く教育を受けていないことで、国によってはこの割合は全体の半分にまで達しています。報告書の著者の一人であるテオ・スパレボームは、「教育水準の向上そのものが高技能労働者に脆弱でない就職先を確保するわけではない」と断りつつも、「教育水準が低く未熟練の若者を労働市場に押し込み続けることは、その日暮らしの脆弱な就業形態を運命付けられる若者にとっても、労働生産性の潜在力増進の点で得るものがほとんどない経済にとっても得にならない状況であることは明らか」と説いています。

 報告書はまた、技能ミスマッチの性格が先進国と低所得国では大きく違うことを指摘しています。先進国のミスマッチはしばしば高技能労働者が自分の資格・学歴を下回る仕事に就く過剰教育の問題を指すのに対し、低所得国ではインフォーマル経済の脆弱な就業形態に従事するしかない若者の教育不足が大きな懸念事項であり続けています。また、貧困は教育不足の問題に大いに影響し、数世代にわたって貧困を定着させます。報告書は若者の労働市場における成果を形作る上での教育の役割を再確認し、もっと質の高い教育に投資する必要性に光を当てています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。