ILO新刊:フィリピンの雇用情勢
ILO新刊『フィリピン雇用情勢2015年版:包摂的な成長にとって決定的に重要なのは人間らしく働きがいのある仕事』
2015年04月22日
このたび発表されたILOの新刊書『Philippine employment trends 2015: Accelerating inclusive growth through decent jobs(フィリピン雇用情勢2015年版:人間らしく働きがいのある仕事を通じた包摂的な成長の加速・英語)』は、フィリピン経済は2013年に7.2%、2014年に6.1%と、近年、比較的高い経済成長を達成しており、労働市場では脆弱就業者比率や若者失業率の低下、就業者増などの重要な改善が見られるものの、包摂的な成長を育むには、人間らしく働きがいがあり、生産的な仕事にもっと焦点を当てる必要があると説いています。
| フィリピンにおける性別・部門別脆弱就業者比率(2008~13年、単位%) |
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雇用の質の指標となる脆弱就業者比率(2008年43.5%→2013年38.3%)も貧困労働者率(2006年22.9%→2012年21.9%)も低下し、就業者数(2013年に2008年より400万人増えて3,810万人)も労働力率(2013年に2008年比で男性10.1%増、女性13.6%増)も伸びています。若者(15~24歳)の失業率はわずかに低下していますが(2008年17.4%→2013年16.1%)、失業の可能性は依然として25歳超層の約3倍に達し、失業者数は全体の半分に当たる140万人に上ります。
このような好調な状態の中でフィリピンではハイエン台風などの大規模な自然災害や国軍とテロ組織の武力衝突などの危機が発生し、地元経済や基幹産業が影響を受けています。ILOフィリピン国別事務所のローレンス・ジェフ・ジョンソン所長は、こういった自然災害や危機は仕事や生計手段その他の収入源を破壊し、しばしば個人や地域社会、全国レベルで達成された成果や進歩の逆転を招くことを指摘し、より良い再建のためには、災害後の復旧活動の先頭にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と生計手段を置くことの重要性を強調しています。
働きがいのある人間らしい就労はフィリピンだけでなく、国際的な開発課題においても最優先事項です。報告書は成長が働く貧困層や脆弱就業者の比率の低下を含む労働市場におけるより良い成果に転化することの確保を「極めて重要なこと」とし、良質の仕事の創出と貧困削減を支援するものとして、以下のような方策を提案しています。
- 投資の役割の拡大
- 政策努力の主流に生産的な就労を据えること
- 全労働力を対象とした適切な技能の育成に向けた投資
- 社会的保護の枠組み強化
- 労働市場情報システムの向上
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以上はILOフィリピン国別事務所によるマニラ発英文記者発表の抄訳です。