児童労働

ILO専門家らが小学校で児童労働について訪問授業

2021年08月06日

【東京発ILOニュース】2021年7月16日に田口晶子前ILO駐日代表とILOアフリカ総局の小笠原稔チーフ・テクニカル・アドバイザーが東京都の千代田区立富士見小学校を訪問し、小学4年生2クラスの生徒による持続可能な開発目標(SDGs)に関する研究発表会に参加しました。

 生徒らは、研究発表に向けて約2カ月にわたり、SDGsについて様々な勉強を行ってきました。また、ごみの分別やマイボトルの利用による環境問題への取り組み、給食の食べ残しを減らすことによる食糧ロス問題への取り組み、学級新聞等を通じたSDGsの啓発活動などを実施し、発表を準備してきました。

 田口前駐日代表と小笠原専門官は、ゲストティーチャーとして生徒の発表に対する感想を述べた後、ILOとSDGsの関係やILOによる児童労働問題の取り組みなどを紹介しました。

 児童労働の話を聞いたある女子生徒は授業後の作文で次のような感想を記しました。「ゲストティーチャーの先生から、世界には学校に行けない子どもが沢山いるとの話を聞きました。私は『自分を学校に行かせてくれて有り難う』という言葉を、ママとパパに言いたいなと思いながら話を聞いていました。直接言うのは恥ずかしかったので手紙にしました。こんなことを考えたのは生まれて初めてだと思います。なぜなら今まで子どもは学校に行くのが当たり前だと思っていたからです。他にもいろんな人に感謝をしたいなと思いました」。

 アフリカでサプライチェーン(供給網)における児童労働の撤廃に向けたプロジェクトを長く担当してきた小笠原専門官は、次のように述べています。「これからの世界と日本を担う生徒たちが、SDGsを少しでも身近に感じる機会となり、目標達成に向けた行動を続けてくれれば、うれしい限りです。真剣に研究に取り組んできた生徒さん達と、このような貴重な交流の機会を準備してくれた富士見小学校の教職員の皆様に御礼申し上げます」。

 ILOと国連児童基金(UNICEF)が2021年6月に発表した共同報告書は、この20年間続いてきた児童労働減少の歩みが止まったことを示しています。2020年初めの推計値として、児童労働に従事する子どもの数が4年前より840万人増えて、世界全体で推定1億6,000万人に達した上、新型コロナウイルスの影響でさらに数百万人が児童労働に陥る危険があると記しています。とりわけ、サハラ以南アフリカでは、人口成長、危機の反復、極度の貧困、不十分な社会的保護措置によって、この4年間で1,660万人増えたとみられます。

 国連は2021年を児童労働撤廃国際年に定め、2025年までにあらゆる形態の児童労働をなくすことなどを目指すSDGのターゲット8.7の達成に必要な行動を求めています。ILOと国連の子どもの権利委員会は、児童労働増加の動きを受けて、子どもの権利を守り、ターゲット8.7に向けた歩みを加速する緊急の行動を呼びかけています。国際年のウェブサイトでは、世界中の様々な取り組みを見ることができます。

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