ILO新刊:学校から仕事への移行

ILO学校から仕事への移行調査新刊-アフリカの若者の教育投資は報われるか

2014年03月12日

 ILOがマスターカード財団から資金協力を受け、知識と活動を通じて若者のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)機会の促進を目指して展開している「Work4Youth(若者のための仕事)プロジェクト」では、世界28カ国で学校から仕事への移行調査(SWTS)を行っていますが、この成果物の一つとしてこのたび発表されたサハラ以南アフリカ諸国の調査結果は、若者の失業率は教育水準の上昇と共に高くなるものの、学歴が低い若者は賃金及び安定した雇用を得る機会の点で不利な状況にあることを示しています。ベナン、リベリア、マダガスカル、マラウイ、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビアのサハラ以南アフリカ8カ国における15~29歳の男女を対象に行った調査結果を記す『Labour market transitions of young women and men in sub-Saharan Africa(サハラ以南アフリカにおける若者男女の労働市場への移行・英語)』によれば、低学歴者は自営業者となったり、低賃金を受け入れる可能性が高く、マラウイ以外の7カ国すべてで失業の可能性が最も低いのは学歴が最も低い層であることが判明しました。

 質の高い若者の供給量が彼らの期待する専門的な職業を創出する近代的な経済の能力を上回っているため、大卒者の失業問題はますます大きな懸念事項になってきています。若者労働者の半分以上が現在就いている仕事に求められている学歴を下回っており、企業はますます高い学歴を新規採用者に求めてはいるものの、専門性や就労経験の不足を挙げて新卒者の採用に二の足を踏んでいます。

 インフォーマル性と脆弱な就労形態が地域の大半の若者にとっての現実であり、調査対象8カ国すべてでインフォーマルな就労形態が標準になっています。働く若者の10人中7人までが自営業者であり、賃金労働者の中でも書面による契約が取り交わされている人はほとんどなく、契約の半分近くが臨時雇用契約であり、年次有給休暇や有給疾病休暇などの受給資格がある従業員は若者従業員の5分の1にも達しません。報告書は、教育水準の向上や近代技術へのアクセス、先進国の利点と認識されているものへの暴露に加え、安定した雇用を得られる展望の欠如は若者の間に欲求不満を生じるリスクがあり、これは最悪の場合には政治不安や国外移住に至る可能性があると警鐘を発しています。そして、地域には労働市場における成果を改善する戦略が必要として、◇とりわけ農業部門内で雇用成長を促進するマクロ経済政策の設計、◇すべての人に開かれた教育機会と学校中退予防の確保、◇若者労働者の平等待遇及び権利の確保による労働条件改善、◇若者のための働きがいのある人間らしい仕事の創出に使用者が積極的に参加することの支援、◇雇用・失業問題を扱う機関の役割の向上と労働市場情報の収集・普及の改善、◇インフォーマル企業に対する支援機構の強化、◇より良い雇用成果の達成に向けた、若者の雇用に関する二者及び三者協力の促進といった活動分野に注意を払うことを提案しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。