暴力とハラスメント条約

ILOの暴力とハラスメント条約の初の批准国はウルグアイ

2020年06月12日

 2020年6月12日に開かれたバーチャル式典において、ウルグアイ政府の在ジュネーブ国連常駐代表を務めるリカルド・ゴンサレス・アレナス大使よりILOの暴力とハラスメント条約(第190号)の同国による批准書がガイ・ライダーILO事務局長に寄託されました。これによって「2011年の家事労働者条約(第189号)」に続き、ウルグアイが「2019年の暴力とハラスメント条約(第190号)」の最初の批准国となりました。

 1年前のILO総会で採択された第190号条約は、仕事の世界における暴力と嫌がらせ(ハラスメント)を取り上げた初の国際条約です。同時に採択された同名の勧告(第206号)と共に、尊厳と尊重を基盤とした仕事の未来を形成するまたとない機会、そしてその行動のための共通の枠組みを提供し、暴力とハラスメントのない世界に向けた一人ひとりの権利を強調しています。性に基づく暴力を含み、仕事の世界における暴力とハラスメントに関する国際的な定義を初めて示した文書でもあります。

 公式(フォーマル)経済・非公式(インフォーマル)経済の別、都市部・農村部の別を問わず、官民両部門に適用される第190号条約は、契約上の地位にかかわらず、仕事の世界のあらゆる人々を保護しています。

 代表的な労使団体と協議の上、予防・保護・執行措置や救済策、手引き、研修、啓発活動を通じて、暴力とハラスメントの防止及び撤廃のための性差に対応した包摂的かつ総合的な取り組みを採用することを批准国に求める第190号条約はまた、政府、労働者、使用者、労使団体には異なる補足的な役割と機能があることを認め、それぞれの責任の範囲と性格の違いを考慮に入れています。決定的に重要なILOの基準設定の役割を再確認する第190号条約と第206号勧告はまた、各国でこの基準を実践する際に必要不可欠となる社会対話と政労使三者構成原則の不朽の価値と強さを目に見える形で示す証拠となっています。

 「ウルグアイは第190号条約の横断的な性格は、既に存在する我が国の法及び労働関係の枠組みを向上する非常に有用な手段と見ています」と語るゴンサレス・アレナス大使は、「この条約と勧告は、労働者の流動性の増大、雇用契約の多様化、新情報通信技術の労働関係に対する影響と結びついている、仕事の未来の課題と相互に関連しており、競争力や革新性、生涯学習、効率性のような要素が疑いなく重要性を有する私たちの社会の最新の動きに適応するには、労働者保護とその権利の尊重が確保されるような追加的な文書が必要」と評しています。さらに、ILOについて、「各国が市民の生活水準を向上させ、全ての社会的パートナーの権益が正しく保護されるバランスの取れた労使関係を達成するのを手助けする規範関連活動に従事する政労使三者構成の機関」と表現し、「ウルグアイの長い伝統と多国間システム、とりわけILOに対する強い傾倒」を挙げ、こういった全ての理由から国会が2019年12月17日に第190号条約の批准を承認し、法第19,849号を成立させたとして、ウルグアイが本条約の最初の批准国になった経緯を説明しました。

 批准書を受け取るに当たり、ガイ・ライダーILO事務局長は、ルイス・ラカジェ・ポウ・ウルグアイ大統領に感謝の意を表した上で、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が始まって以来、世界中から仕事に関連した様々な形態の暴力とハラスメントの報告が相次いでいるため、ウイルスの世界的大流行の中で第190号条約が提供する枠組みがかつてないほど極めて重要になっていることを指摘しました。そして、不正義に取り組み、暴力とハラスメントのない、より良い日常の構築を支える、人間を中心に据えた危機対応・回復策を形成する上で、第190号条約が担う決定的に重要な役割に注意を喚起し、この批准はまた、「ILOの使命に対するウルグアイの古くからの傾倒のみならず、仕事の世界における暴力とハラスメントは容認されないことを明確にする意思を反映するもの」と評価し、他の諸国がこれに続くことへの期待を表明しました。

 第190号条約の発効には2カ国による批准が必要です。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

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