パートナーシップ
ILOとH&Mグループがパートナーシップを拡充
2019年01月24日
2019年1月24日、ILOとスウェーデンのアパレルメーカーであるエイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ(H&Mグループ)は、2001年から続けてきた協働関係を拡充し、繊維・衣料産業のサプライチェーン(供給網)における労働条件向上を共に推進する新たなパートナーシップを構築したことを発表しました。両者はこれまでに、カンボジアやバングラデシュなどのような国で賃金や労働の質、生産性、労働者の技能の文書化・認定など一連の事項に共に取り組んできましたが、H&Mグループを代表してカール・ヨハン・パーソン最高執行責任者(CEO)とアナ・ゲダ・サステナビリティ・ヘッド、そしてガイ・ライダーILO事務局長が署名した新たな協定は、パートナーシップの範囲を従来よりも広げ、H&Mグループのサプライチェーンにおける持続可能性に関する活動の強化を目指す長く緊密な協同関係を継続するものです。1947年創業のH&MグループにはH&M以外にもCOSなど様々なブランドが含まれ、47のオンライン市場、そしてフランチャイズ市場も含むと71の市場に4,900以上の店舗を展開していますが、新たなパートナーシップにはこれまで以上の事業機能が含まれることになります。
この協定の下で、活動を実施する上でカギとなる役割を担うのはILOが国際金融公社と共同で運営するベターワーク(より良い仕事)計画です。世界7カ国(バングラデシュ、カンボジア、ハイチ、インドネシア、ヨルダン、ニカラグア、ベトナム)で実施され、約1,600工場の従業員約220万人が関与するこの計画は、労働基準が守られた作業環境の確保に向けて参加企業を支援することによって、グローバル・サプライチェーンの競争力と労働条件の改善を図っています。
うまく進められているこのH&Mグループとのパートナーシップの継続について、ILOパートナーシップ・現地業務支援局のリーイ・ヴァイス・ケルゴー局長は、「世界中の主要な経済部門の職場で持続可能な開発目標とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をすべての人に達成する取り組みの両方を促進し続ける基盤を提供する点で重要」と評価し、この種のパートナーシップから学んだ教訓はILOの民間セクターとの活動における参考資料となる点で重要としています。アナ・ゲダ・サステナビリティ・ヘッドも「サプライチェーン内における労働条件と生産性の向上に向けて活動する際には、労使関係と社会対話の強化が必須であることを私たちは知っています」とした上で、「今回更新されたILOとの長い提携関係のおかげで、この目標に向けて協働し続けることができます」と述べています。
国際的な生産体系は衣料部門において主に若い女性の雇用機会を多数創出してきましたが、時に国内労働法に従っていない賃金や労働条件が見られます。結社の自由や団体交渉権が制限あるいは否定されている場合もあります。法定最低賃金は必ずしも実施あるいは適用されておらず、暮らしを十分に支えられないほどに低く設定されている場合もあります。ILOもH&Mグループも政府、労働組合、使用者団体との協働によって労働関係を全面的に変える必要があることを認めています。
H&Mグループの2018年の売上高は2,440億スウェーデンクローナ(約3兆円)、従業員数は17万1,000人を超えています。
以上はジュネーブ及びストックホルム発英文記者発表の抄訳です。