パートナーシップ:児童労働
ILOと日本たばこ海外事業部門がたばこサプライチェーンにおける労働者の基本的な権利の促進に向けた共同活動をステップアップ
2015年09月29日
ILOは2011年から日本たばこ産業株式会社の海外たばこ事業を担うジャパン・タバコ・インターナショナル社(JTインターナショナル・本社ジュネーブ)と協力してタバコ生産地における児童労働問題に取り組んできましたが、このたび、世界中のタバコ生産地で労働者の基本的な権利の尊重とこれに関する理解を促進するために新たなパートナーシップ関係を構築しました。これに基づき、ILOはJTインターナショナル社が葉タバコを調達している国々のタバコ農村における強制労働、差別、結社の自由と団体交渉、労働安全衛生に関する調査研究を実施し、同社の社員の研修に用いられる新しい研究資料の作成などに乗り出します。研修を受けた社員は、タバコ農場を定期的に訪問する社内の農業経済専門家に研修を提供し、労働者の基本的な権利の侵害が効果的に摘出・対処されるよう、専門家の知識と技能の向上を図ります。農場における観察活動から得られた情報はJTインターナショナル社が展開している農業労働慣行計画(ALP)の資料として用いられます。
ILOは農業労働慣行計画が労働者の基本的な権利を促進する包括的な取り組みを採用するよう支援しています。農場における観察は労働者の基本的な権利がいかに相互依存的で互いに強め合っているかについての理解を促進する上での重要な第一歩となります。ILOはさらに、JTインターナショナル社が自社の取り組みが労働者の権利に与えている影響を確実に理解し、介入活動の効果増大を狙って対象を絞られるよう、同社と協力してサプライチェーンにおける影響評価の枠組みを開発する予定です。JTインターナショナル社も参加する、サプライチェーンにおける児童労働問題への取り組みに関する企業同士の経験とノウハウの共有の場である児童労働協議会などを通じてこのような影響評価の使用者に対する普及が図られます。他の産業部門にも通用するであろうこの影響評価の枠組みは、企業が法規等の遵守に向けて払う正当な注意の実効性を全世界的に高める貴重な手段となることが期待されます。
政府の取り組みに沿いそれを支援する形で、タバコ生産地に対象を絞って能力構築と支援を提供するILOとJTインターナショナル社の協力関係は、とりわけ米国の非営利団体であるウィンロック・インターナショナルを加えた三者で立ち上げたARISE(教育支援を通じた児童労働の削減達成)計画を複数のタバコ生産国で実施することを通じて育まれてきました。
ILOガバナンス・三者構成原則局のムサ・ウマル局長は、大人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)促進の要素も含む、権利を基盤とした総合的な取り組みの中に組み込まれた場合、児童労働撤廃努力の成功可能性が高まることを指摘した上で、JTインターナショナル社とのパートナーシップ関係がこれまでの協力関係の延長線上で新たな段階に進んだことを大いに歓迎し、「これは世界中の農村社会に長く続く肯定的な変化をもたらすだろうと確信している」と述べています。JTインターナショナル社で葉タバコ購入業務の責任者を務めるポール・ニューマン上級副社長はILOの専門知識の価値を認め、新たに同社の農業労働慣行計画も組み込まれることになったARISEについて最近4年間の延長が決まったことは、自社バリューチェーンにおける労働基準改善に向けた積極的な取り組みの継続を許すものと語っています。
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以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。