公正な人材斡旋
ILOと国連薬物・犯罪事務所が不正で詐欺的な人材斡旋の防止とこのような行為への対応を呼びかけ
2015年06月23日
ジュネーブで開かれている国連人権理事会のサイドイベントとして、ILOは6月24日に、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)及び国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)と共に、ILO及びUNODCの主な研究成果を発表し、公正な斡旋の醸成、人身取引の防止、労働力移動コストの低減を目指す好事例を共有する会合を開催しました。
これに先立つ6月23日、ILOとUNODCは不正で詐欺的な人材斡旋行為に対する取り組みの強化を国際社会に呼びかける共同声明を発表しました。ILOの展開する公正斡旋イニシアチブは、◇国内及び国境を越えた人身取引と強制労働の防止、◇不正で詐欺的な斡旋行為からの労働者、とりわけ移民労働者の保護、◇労働力移動の人的、社会的、経済的コストの軽減及び移民労働者とその家族、送出国、受入国に対する開発成果の引き上げを目指しています。人身取引議定書が付属する国際組織犯罪防止条約の事務局を務めるUNODCは、加盟国による議定書の実効性ある実施や包括的かつ効果的な人身取引対策の構築に向けた取り組みを支援しています。両機関はこれらの国際的な公約及び諸原則に立脚して、政府、社会的パートナー、企業、他の国際機関、その他すべての関係当事者に向けて、それぞれの役割と付託された任務に沿って、以下の行動を考慮の上、不正で詐欺的な斡旋行為に対する取り組みを適宜強化することを呼びかけています。
- 人身取引につながる可能性がある不正で詐欺的な斡旋行為に包括的に対処する国際基準に沿った国内法規(とりわけ、労働、移住、刑事関係の法)の制定・強化
- 相当なる注意や不正で詐欺的な斡旋行為をなくす方法に関する最善事例について人材斡旋業者、民間職業仲介事業所、使用者の意識を高めること
- 適当な場合には人身取引の罪などで刑法に違反する人材斡旋業者の制裁確保、斡旋・紹介過程における不正で詐欺的な行為をなくすことを目指した労働法等その他関連法規の適用・執行の確保、公正で持続可能な企業慣行を導く環境の形成に向けた関連政府機関、労使団体、民間職業仲介事業所代表の協力体制の整備、戦略的官民パートナーシップの促進、一般的な移住ルート内での好事例交換の円滑化
- 苦情を申し立てる仕組みの構築、司法及び実効的な救済措置(補償など)が被害を受けた移民労働者に開かれていることの確保
- 斡旋過程に係わる搾取からの労働者(移民労働者を含む)の保護の向上に向けた結社の自由の権利の確保、団体交渉適用範囲の最大化、労働組合組織化努力の支援
- 一般的な移住ルート間での規制・執行面のギャップの解消、国際的な調整・協力の改善確保に向けた、国際基準に根ざした二国間協定・地域協定その他の仕組みの透明かつ参加型の交渉、締結、効果的な実行の育成
- 人材斡旋を司る国内法・政策と雇用・技能・教育に係わるより広範な政策との整合性確保に向け、移民労働者の斡旋を規制する国内メカニズムが労働力移動政策や関連する二国間協定・地域協定に組み込まれることの確保
- 人材斡旋業者、職業仲介事業所の適正な認知・規制の確保に向けた、人身取引議定書、1930年の強制労働条約の2014年の議定書、1949年の移民労働者条約(改正)(第97号)、1975年の移民労働者(補足規定)条約(第143号)、1997年の民間職業仲介事業所条約(第181号)を中心とした、関連する国連条約、ILO条約の批准促進
グローバル化する今日の経済においては、国外で仕事を見つける労働者も多くなっています。ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)のための機会を仲介し、効率的かつ公平な労働市場の機能を促進する上で、職業仲介事業所は官民共に重要な役割を演じ得ますが、法規制の枠外で暗躍し、とりわけ低技能の移民労働者を餌食にする悪辣な仲介事業所、インフォーマルな人材斡旋業者、人身取引犯罪者に対する懸念が世界的に高まってきています。労働条件や仕事の性格についての詐欺行為、パスポートの取り上げや手付け金の徴収、違法な賃金控除、労働者に対する斡旋手数料の請求、斡旋手数料の支払いに関連した債務奴隷、暴力や本国送還の脅迫などといった不正行為が報告されています。こういった行為は人材斡旋の統治における間隙、とりわけ国際的なギャップの存在から発生しています。ILOとUNODCはこの問題に対し、力を合わせて国内及び国際的に公正な斡旋行為の促進を図っています。
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以上は2015年6月23日日付英文共同声明の抄訳です。