公正移住課題

ILOが中東で新たな公正移住プロジェクトを開始

2016年09月07日

 中東で暮らす3,200万人以上の移民の大半が働いています。この地域では、強制労働の被害者も約60万人に上ると見られます。バーレーン、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦といった国では、人口の大半を移民労働者が占め、カタールやアラブ首長国連邦では8割を超えています。湾岸諸国では家事労働者と建設作業員の95%以上が移民労働者です。

 ILOはスイス開発協力庁(SDC)から200万ドル以上の任意資金拠出を受けて、新たに中東で公正な移住を促進し、強制労働及び労働搾取のための人身取引の問題に取り組む労働力移動プロジェクトを開始しました。2018年半ばまで続く予定のこの「中東地域公正移住プロジェクト(FAIRWAY)」は、家事労働者と建設作業員という最も脆弱な労働者に焦点を当て、証拠を基礎とした調査研究から情報を得た政策変更を促進し、法及び政策の実行における改善を支援し、移民労働者に対する差別的な態度に取り組むことを目指しています。

 賃金、労働安全衛生、労働監督、司法利用に係わる主な懸念事項に取り組むこの地域プロジェクトは、一部中東諸国に各国に合わせた具体的な支援を提供し、中東で働く数百万人の移民労働者に安定した好ましい移住経験を確保できることが期待されます。

 ルバ・ジャラダトILOアラブ総局長は、ILOの公正移住課題公正人材募集・斡旋イニシアチブを地域で実行する機会を提供するこのプロジェクトが、アブダビ対話が生み出した勢いやアラブ総局の取り組みを土台として、送出国と受入国の双方、労働者と使用者の双方に利益をもたらす移住体制を構築する解決策を提供することへの期待を表明しています。

 2016年9月7日に発表された報告書『Ways forward in recruitment of low-skilled migrant workers in the Asia-Arab states corridor(アジア=アラブ諸国回廊における低技能移民労働者の人材斡旋・募集における前途・英語)』は、アジアとアラブ諸国をつなぐ人材斡旋産業、そして人材斡旋業者や業務外注企業の詐欺的な行為を可能にする法制度上の間隙を包括的に評価しています。ILOアラブ総局とILOアジア太平洋総局が協力して作成したこの白書は、世界の好事例や証拠を参考にしてまとめられた勧告の共有を許すことによって地域の政策策定者に革新的な解決策を提示するものとなっています。

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 以上はILOアラブ総局によるベイルート発英文記者発表の抄訳です。