ILOがギリシャを支援して労働市場政策と社会的経済を後押し
2015年11月26日
財政危機に陥ったギリシャは2010年から数十億ユーロの財政援助と引き換えに財政強化・経済改革計画を進めてきましたが、ゲオルゲ・カトルガロス労働・社会保険・社会連帯相の招きを受けて同国を訪問したガイ・ライダーILO事務局長は11月26日にイオアニス・ドラガサキス副首相をはじめとする複数の政府代表と会談し、同国の経済再生、失業対策に対するILOの支援を改めて約しました。
財政強化策・構造調整を開始して5年目になるギリシャでは、労働法、年金、より幅広い労使関係の枠組みなどの分野も含み、重要な改革が進められています。政府は今年、対国内総生産(GDP)比0.2%の赤字を記録した基礎的財政収支(利払い費を除く)を2016年には0.53%の黒字に転じることを目指してさらなる経済・社会改革を進める2016年予算案を立案していますが、これによって来年の経済はさらに0.7%縮小すると見込まれます。若者を中心に失業者は労働力のほぼ4人に1人に達し、失業者の4分の3が1年以上の長期失業者と見られます。このような現状に鑑み、ライダー事務局長は、ILOとしては、政府が現下の経済情勢が社会や労働に与える影響に取り組むのを支援し、批准条約を十分に尊重して団体交渉及び社会対話を促進していくつもりであることを明らかにしました。
欧州安定化メカニズムとの間で締結された覚書に沿って検討されている改革に関連してILOが提供する技術支援の内容についても政府との間で合意が達成されました。労働法、労使関係の分野を中心とするILOの技術支援は積極的労働市場政策と社会的経済の強化を通じた失業抑制を目標とすると共に政府の未申告労働やインフォーマル(非公式)経済に対する取り組みを後押しすることが予定されています。
ライダー事務局長は全国的総合労働協約の当事者である政労使三者が主催した「社会対話の強化政労使円卓討議」に参加し、「仕事の質の向上、労働市場における不安定性の低減、労働条件の改善、安全で健康的な職場の確保の前提条件は、二者あるいは三者による社会対話と団体交渉が政策策定の中に組み込まれること」であると強調し、失業、不完全就業、インフォーマルな仕事から生まれる問題に取り組むために合意を基盤とした解決策を緊急に探求することを政府及び労使団体に提案しました。社会対話の仕組みを改善する方法の特定を目指し、労使団体は会議に「合同行動計画」を提出しました。会議では覚書の幾つかの条項に関する影響評価を政労使が共同で実施することも決められました。
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以上はアテネ発英文記者発表の抄訳です。