重要性増す「企業の人権尊重」 駐日代表が中央大で講義

2023年06月25日

ILO駐日代表の高﨑真一が6月23日、中央大学茗荷谷キャンパス(東京都文京区)で「ビジネスと人権―最新の動向」と題して講義を行いました。企業活動による人権侵害を防ぐ「ビジネスと人権」の考え方とILOの取り組みを紹介しつつ、なぜ今世界的潮流となっているのか解説しました。

講義の冒頭で高﨑は、近年グローバル企業が国家歳入を超える利益を上げている例を引き、企業の影響力が増す中で「ビジネスと人権」の重要性は高まる、と指摘しました。

ILOの国際労働基準や国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」だけでは対応できない課題もある中、①国家が、人権を尊重する責任についての具体的な手順(人権デューディリジェンス)を義務化する動き、②投資家が、責任ある投資と、環境・社会・管理体制を考慮した「ESG経営」を重視する傾向、③消費者が社会的意識の高い(エシカル)な商品・サービスへ乗り換えるという意識の変化、④世界の主要企業を評価するワールド・ベンチマーキング・アライアンス(WBA)など評価機関による企業の人権を守る取り組みを格付け・公開する動き―が後押ししていると解説し、「皆さんの世代が消費者として持つ影響力は大きい」と呼びかけました。

参加した学生は時おりメモを取りながら積極的に質問し、「消費者として身近なことに関心を持ち『自分ごと』として捉えたり今できることを考えたりしたい」「企業法務に興味がある。将来は社会課題や人権尊重に取り組みつつ利益の追求をサポートしたい」などと話していました。