専門家会議:船員
船員の身分証明書の認定と国境保安に係わる懸念事項についての助言を求めてILOが国際的な三者構成専門家会議を開催
2015年02月02日
1958年の船員の身分証明書条約(第108号)を改正し、これに代わるものとして2003年に採択された船員の身分証明書条約(改正)(第185号)は、船員が陸上の福利・医療施設の利用や休暇のための上陸、船舶の運航に関連しての移動に関わり、一時的に外国の領域に入国する際の便宜を図るために、船員の身分証明書に関する統一した国際的要件を規定しています。条約は指紋を基礎とする生体認証(バイオメトリクス)テンプレートなどを含む身分証明書(ID)モデル、ID電子データベースの内容、ID発行の要件並びに推奨される手続き及び実務といった詳細を定めています。
2001年に米国で発生した同時多発テロ事件後に示された国境保安上の懸念に応える形で採択され、要請の緊急性に鑑みて批准発効期間が通常より短い6カ月に設定されているにもかかわらず、批准国は現在でも29カ国と、条約の定める船員の身分証明制度が適切に機能するには不十分です。また、ILO理事会が2004年(2005年に改訂)に条約に従って定めた、証明書に含まれるべき生体認証テンプレートの技術規格を満たしていた製品は、その後の技術の変化と国境の保安管理基準の発達から今ではほとんどが入手できなくなっています。
このような状況に鑑み、来る2月4~6日にジュネーブのILO本部において、日本を含む32カ国の政府、そして船舶所有者・船員の各側16人の海運及び国境管理の専門家が出席して開かれる会議では、第185号条約の実施に係わる様々な事項に対応した各種選択肢の費用便益を検討し、条約に沿って発行された身分証明書の受容と実施が改善されるよう提案を行う予定です。
クレオパトラ・ドゥンビア=ヘンリーILO国際労働基準局長は、「私たちは今、第185号条約の実施における重大な岐路に立っている」として、技術面、管理面、政治面の幅広い問題を扱う来る会合の重要性に光を当てています。
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