第108回ILO総会テーマ別フォーラム

第108回ILO総会テーマ別フォーラム:ディーセント・ワークのためのビジネスについて検討

2019年06月18日

 現在ジュネーブで開かれている第108回ILO総会では七つのテーマ別フォーラムが開催されています。「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)のためのビジネス」と題し、6月18日に開かれた二つ目のフォーラムでは、人間を中心に据えた仕事の未来を形作る上で民間セクターが果たす決定的に重要な役割や持続可能な企業の発展を最も良く奨励する方法に光が当てられ、参加した労使代表や市民社会の代表はディーセント・ワークと生産的な完全雇用に民間セクターがどのように貢献できるかを話し合いました。

 開会挨拶を行ったムサ・ウマルILO現地業務・パートナーシップ担当副事務局長は、地域社会の福祉に民間セクターは相当貢献している点を認めつつも、人々と人々が行う仕事を企業活動の中心に置く、人間中心の成長モデルを支える企業インセンティブの形成に向けて「もっと多くのことができる」と期待を示しました。

 仕事の未来世界委員会の委員を務めた世界経済フォーラムのリチャード・サマンズ・マネージング・ディレクターは、主たる雇用の担い手を越えた民間セクターの貢献あるいはその貢献にさらにてこ入れする方法として、「若者に対する投資の増大、生活賃金の支払い、差別禁止と安全衛生の確保、そしてもしかすると最後の手段として対話」を挙げました。

 国際食品労連(IUF)のジャックリーヌ・バロンシーニさんは、対話の重要性には同意を示しつつも、労働者がまだ結社の自由と団体交渉の権利を完全に享受できていない国が存在する状況を指摘し、そのような権利を労働者に確保することを企業に呼びかけており、取り組みが進展していることを報告しました。

 ランスタッド社のジャック・ファン・デン・ブルック最高経営責任者(CEO)は、成功のための処方として、「官民両部門の協働」を挙げ、長期的な計画として、政策を策定し、政府とも同じように取り組む希望を表明しました。

 メキシコの使用者団体COPARMEXのグスタボ・デ・オヨス・ヴァルテル会長は、人間中心アジェンダに焦点を当てるだけでは十分ではなく、未来のアジェンダは企業も中心に据えることを求め、企業が将来的に必要になるであろう質及び量の雇用を生み出す立場を維持するために求められる種類の支援に関して再考の必要があると論じました。

 ネスレのローラン・フレイシェ執行副社長は、「民間セクターが雇用、公式(フォーマル)な雇用の中心的な供給者であることは疑いがない」として、フォーマルな仕事になる基本条件の一つは人間らしく働きがいのある仕事であることを挙げた上で、「残念ながら世界中で非公式(インフォーマル)性が幅広く見られる現状を忘れるべきではない」と指摘しました。

 国際運輸労連(ITF)のスティーブン・コットン書記長は、労働者の観点に立つと「見るべき必要があるのは責任」と指摘し、企業は利潤を生み、成長する機会が与えられる必要があることへの理解を示しつつも、決定的に重要なこととして、「制度に規制する責任があること」を挙げました。

 若者を代表して討議に参加した社会的企業のヤング・ビジネス・エージェンシーの創設者であるオラジュモケ・アデケエさんは、「精力的で野心家の若者、暮らしを立て、自分たちの暮らしから意味を導き出し、インターネットやソーシャルメディアへのアクセスに飢えている若者、世界の他の場所の暮らしを目にすることができ、自分たちになぜ同じ機会が与えられないのかと不思議に思っている若者」が住んでいるサハラ以南アフリカで時を刻んでいる時限爆弾について説明しました。

 仕事の未来に強く焦点が当てられている今総会では、演説を行った多くの国家元首・政府首脳がILOに付託された社会正義の任務に対する支持を表明しました。後半に入った総会では明日から再びハイレベルゲストの演説が行われます。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。