多国間機関

第3回1+6円卓会議(北京・2018年11月6日)共同記者発表

2018年11月06日

 2016年に主要20カ国・地域(G20)会合を主催した中国の李克強首相はその後毎年、北京で1+6円卓会議として国際機関トップとの会合を開催しています。2018年11月6日に開かれたこの第3回会合には、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事、世界貿易機関(WTO)のロベルト・アゼベド事務局長、経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長、金融安定理事会(FSB)のマーク・カーニー議長、そしてデボラ・グリーンフィールドILO副事務局長の6国際機関代表が参加し、地球全体の持続可能で包摂的な開発を求める共同記者発表を行いました。

 会合が到達した共通の理解は、世界経済はなおも強い拡張期にあるものの、成長は高止まり、幾つかの下降リスクが現実化してきており、貿易のさらなる緊張激化と先進国経済の金融政策の漸進的な平常状態への復帰が脆弱な新興市場に与える波及効果が懸念され、そのような経済動向が雇用に与えるかもしれない影響を注視しているというものです。そして、マクロ政策の強固な枠組みを確保し、可能なショックを吸収する緩衝政策を構築し、現在の貿易緊張の緩和・解決に向けて協働し、経済の基礎的条件と金融の強靱性の強化に向けて国内改革をさらに進めることを各国に呼びかけました。

 さらに、保護貿易主義に対する強い懸念を示した上で、すべての当事者に向けて多国間主義を共に信奉し、自由貿易やグローバル経済の統治における多国間機関の肯定的役割、ルールに則り、開放され、透明で包摂的かつ非差別的な多国間貿易制度を支持し、開かれた世界経済の構築に向けて共に働き、グローバル化の健全な発展を育むよう呼びかけました。また、協議、協力、そしてすべての人への利益の原則に則ったグローバル経済の統治の改善に対する希望を示した上で、国際社会はグローバルなマクロ政策枠組みにおいては引き続き開発を最優先事項に据え、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を共に実施すべきことを訴えました。

 引き続き世界の成長を率いる牽引力の一つとして機能し続けるであろう中国経済への言及においては、新たな開発概念の実施などに向けた同国の取り組みや一帯一路構想の目的に対する支持が表明されました。

 また、新たな産業革命が進みつつあることに留意し、世界経済の新たな成長の推進力を解き放つには、デジタル時代の機会を捉えることが決定的に重要として、研究開発の強化、新技術に関する協力の推進を各国政府に求めました。さらに、デジタル変革によってもたらされた課題、とりわけ雇用・所得分布に対する影響の可能性に適正に対処するさらなる行動として、勤労人生の過程で適応する機会を労働者に与え、適切な技能開発を確保するために関連する教育、見習い実習、職業訓練をステップアップし、社会的保護を強め、新たな成長の推進要素を育む際の主要な目標の一つとしてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と雇用創出を掲げることを呼びかけました。この点で、OECDとILOの仕事の未来イニシアチブに対する期待が表明され、進展状況が留意されました。

 参加機関らはまた、来年も対話を続けることで合意に達しました。

 以上はILO中国・モンゴル国別事務所による北京発英文記者発表の抄訳です。