グリーン経済
第2回PAGE閣僚会合ベルリンで開催:世界のグリーン経済指導者らが新たな緑の革命を誘発する方法を模索
2017年03月27日
国連持続可能な開発会議(リオ+20)で発された、より包摂的でより環境に優しい成長路線に乗り出すことを希望する国々に対する支援の呼びかけに応えるものとして、2013年に国連環境計画(UNEP)、ILO、国連工業開発機関(UNIDO)、国連訓練調査研究所(UNITAR)、そして後に国連開発計画(UNDP)が加わって誕生した「グリーン経済に関する行動のためのパートナーシップ(PAGE)」の第2回閣僚会合が2017年3月27~28日の日程でドイツの首都ベルリンで開かれています。会合にはコロンビア大学のジェフリー・サックス持続可能な開発センター所長やパヴァン・スクデフUNEP親善大使などの高名な経済学者をはじめ、世界各地から40人余りの閣僚、企業の最高経営責任者(CEO)、国連機関や非政府組織(NGO)、労働組合のハイレベル代表、そして300人を超える持続可能な開発に関する専門家が集い、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる変革を生むようなゴール及びターゲットを土台に、環境劣化及び不平等と戦う手段を探求する話し合いを行います。
2日間の日程の中では、増大する天然資源の搾取、気候変動、公害の経済的根本原因の探求や、世界各地で見られる急進的ポピュリズム(人民主義)誕生の背景をなしている不平等拡大の問題に関する検討も行われます。また、PAGEの事務局を務めるUNEPから今年後半に発表される『包摂的富報告書(Inclusive wealth report)』2017年版の予告発表も行われます。隔年発表の報告書は、分析した202カ国の4分の3以上が1990~2014年の期間に自然資本の枯渇あるいは維持の困難を経験していることを見出しました。国内総生産(GDP)のような従来の経済指標を越えるものとして、製造資本、人的資本、自然資本などのあらゆる資産を考慮に入れた包摂的富指標を用いて、国の豊かさを進歩、幸福、長期的持続可能性の観点から測定するこの報告書は、各国が短期的な経済成長のために天然の富を流出させていると結論づけています。
本会合ではまた、環境に配慮したグリーン成長に関する知識とデータの集団的な生成、管理、共有に従事し、PAGEのみならず、ドイツ及びスイスの政府も多大な支援を提供している「グリーン成長知見プラットフォーム」による「ポリシー解決策バーチャルセンター」の発表も行われます。最善事例データベースとグリーン成長専門家接合の二つの新しいツールを基盤とするこのプラットフォームは、政策策定に携わる人々に、公平で安定したグリーン成長を確保する方法に関する150以上の事例研究や最善事例、そしてグリーン経済に関する世界の主導的な専門家に直接連絡できる機会を提供します。
エーリック・ソールハイムUNEP事務局長は、開会演説で、「健全な環境と健全な経済の二者択一の必要はなく、両方を手に入れることができる」と説き、現行の政策に無関係に、よりクリーン、より公正、より安定した経済へと向かう後戻りできない世界的な趨勢があることを指摘し、「今必要なのは新たな緑の革命」として、まだ経巡るだけの緑が残っている内に、包摂的なグリーン経済の達成を確保できるよう大きく加速する必要性を訴えました。
ドイツのバーバラ・ヘンドリクス環境・自然保護・建設・原子炉安全大臣は、基調演説において、「政府と民間企業の決然とした行動によって駆動されない限り、持続可能な開発目標は実現しないだろう」と説き、現在の経済慣行が地球、そして私たちの暮らしが依存している資源を破壊しつつあること、既に幾つかの惑星としての限界を超えてしまっていること、気候変動は事態が手に余るようになって来ていることの最も明白な兆候であることを挙げた上で、「経済慣行と生活様式を再検討する時が来た」として、「社会の分断を形成せず、地球の限界を尊重する異なった種類の成長」が必要であり、「真の変化だけが、各国の経済をより持続可能で危機に強いものにできる」と訴えました。南アフリカのエドナ・モレワ環境大臣も「経済、社会、環境の各側面を考慮に入れた持続可能性の概念は力強い手段」として、「経済あるいは経済成長は今後、社会として包摂的で環境面から見て持続可能でなくてはならなくなる」と説き、南アフリカが現在、エネルギー効率、環境に優しいグリーン輸送、持続可能な住宅建設、気候変動に強い農業を推進する事業計画を実施しており、既にエネルギー部門を中心に、様々な部門に相当の投資を行ったことを紹介しました。
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の前進に向けて経済政策・慣行の中心に持続可能性を据えることを目指すPAGEは、各国・地域が経済政策・慣行をそのように作り替えて経済成長を育み、所得と仕事を創出し、貧困と不平等を縮小し、経済の環境保護的基盤を強化することを支援しています。五つの国連機関それぞれに付託された任務、専門知識、ネットワークを組み合わせることによって、各国に包摂的なグリーン経済に関する包括的かつ総合的な支援を提供でき、整合性の確保と同時に重複の回避が図られています。これはグリーン経済に関する国連の活動を調整し、各国の「持続可能で包摂的かつ持続的な経済成長、生産的な完全雇用及びすべての人々のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進」を目指す目標8を中心とした持続可能な開発目標の達成及びモニタリングを支援する仕組みを表しています。PAGEは計30カ国に支援を提供することを目指していますが、本会合において、欧州委員会、ドイツ、フィンランド、韓国、ノルウェー、スウェーデンから計1,500万ユーロ近い拠出表明が新たに行われたことによって、支援の拡充が図られます。また、新たにウルグアイとガイアナが参加を表明したことにより、参加国は13カ国になりました。両国は共に全国的及び地域的な開発・気候行動計画に環境に配慮した目標を含むことによって包摂的なグリーン経済に関する比類ないリーダーシップを示しています。
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以上はPAGEによるベルリン発英文記者発表の抄訳です。