ILO事務局長声明:移住危機

移民・難民危機に対する永続的解決策を求めるILO事務局長

2015年08月07日

 8月に入って再び地中海で多数の移住希望者が命を落としていることを受け、ガイ・ライダーILO事務局長は8月7日に移民の流れを止める一時しのぎの措置は「問題の上っ面をなでるに過ぎない」として、外国の地に仕事と安全保障を求めて命を危険にさらすことを人々に強いている「根本的な原因」を、より深く突き詰める必要があると指摘する声明を発表しました。

 事務局長は、「この現在進行中の人的悲劇に対して世界が手をこまねいているように見えることには非常に心乱される」として、「今助けを必要としているのは人間であるという事実を見失わないようにしよう」と呼びかけ、永続的な解決策に含まれるべき要素として、◇出身国でより多くのより良い仕事が創出されるための国内のみならず地球規模の活動、◇労働市場の真のニーズに対応し、家族の再会を円滑化する正規の移住経路の確立に向けた行動の拡大、◇人身取引及び密入国の防止に向けた移民募集活動に対する監視の改善、◇困窮し必要に迫られている人々に対する人道支援のニーズを満たす公約の分担、などを挙げています。そして、対応を実効性あるものとするには、社会的保護及び労働者保護を保ちつつ、成長を刺激して仕事を創出するような国家の対応を設計する際に、企業、労働界のリーダー、その他の利害関係者の関与・参画を得ることが求められるとしています。さらに、この過程で求められる、移住の仕組みが公正で人権を尊重することを確保する方法に関するバランスの取れた対話は、関係地域間の協力を通じてのみもたらされると説いています。また、紛争がなかなか解消されない場所については、難民が人間の基本的な尊厳を享受でき、可能な場所では生産的な活動に従事できるよう支援するために難民及び難民を大量に受け入れている国々との連帯を提案しています。

 事務局長は、11月にマルタで開かれる予定の欧州連合とアフリカ連合のサミット会合について、この地域内の移住が必要に迫られてのものではなく、選択肢の一つとなることを確保できるような「協調的な対応を設計する一つの機会」と歓迎しています。さらに、男女・子どもを問わず、すべての人々が出身国であろうと渡航先国であろうと関係なく、人並みの暮らしを送るのに必要な政策決定を加盟国が行い、必要な措置をもって行動する用意があるか否かを、2030年に向けた国連の政策課題のリトマステストの一つに挙げています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。