労働力移動/パートナーシップ

移住と開発に関するグローバル・フォーラム第7回会合出席のためにライダーILO事務局長がスウェーデンを訪問:公正な移住の目標を掲げることを呼びかけ/スウェーデンとILOの新パートナーシップ計画発表

2014年05月16日

移住と開発に関するグローバル・フォーラム第7回会合で公正な移住の目標を掲げることを呼びかけるライダーILO事務局長

フォーラムで講演するライダー事務局長

 相互に強化し合う移住と開発についての理解と協力を促進するために全国連加盟国に開かれた協議の場である「移住と開発に関するグローバル・フォーラム(GFMD)」の第7回会合が5月14~16日にスウェーデンの首都ストックホルムで開かれていますが、16の国際機関で構成されるグローバル移住問題グループ(GMG)の現在の議長機関としてグループを代表して16日に演説したガイ・ライダーILO事務局長は、移民労働者の権利を尊重し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の真の機会を与えるような公正移住の政策課題を掲げる必要性を唱えました。

 ライダー事務局長は、2006年の創設以来、移民の人権保護とこの分野における国際的な調整の改善に向けてGMGが展開してきた様々な活動を紹介しました。多くの国で見られる移民流入に対する懸念は「誤解に基づく場合が多く、放置したままでは社会の結束を損なう可能性がある」と警鐘を発した上で、事務局長は、移住の影響に関する理解の向上に向けた、より強固な調査研究データの必要性を訴え、ILOを含むGMG参加機関によるデータ及び知識基盤の改善に向けた取り組みを示しました。社会的ダンピングのような慣行が賃金や条件を引き下げるとの懸念に関しては、「移民労働者に地元の労働者と同じくらい良い賃金と条件が確保されること」を最善の答えとして提示し、「最終的な問題は移住ではなく、まともな仕事が十分に創出されていないこと」と指摘しました。

 気候上の災害や紛争によって立ち往生させられた、危機的状況にある移民の困窮に対しては、対象を定めた管理戦略が必要として、各国が適切な国境統治策を採用できる助けになるよう指針や原則の策定が進められていることを紹介しました。さらに、グローバルな移民斡旋市場が無政府状態にあることを指摘して、すべての国の労働者について公正で倫理的な採用が確保されるよう調整を図った適切な規制が必要であることを説き、この点で、民間職業仲介事業所条約(第181号)などのILOの基準に沿った慣行が育まれるよう設計されたILOの公正就職斡旋イニシアチブや国際移住機関(IMO)の国際就職斡旋健全システムなどを通じた進展を紹介しました。事務局長はさらに、国籍や法的地位にかかわらずすべての労働者の保護が確保されるよう労働監督官の役割を明確化する必要性にも言及しました。

 そして、送出国と受入国の利益、移民労働者と自国労働力の利益に等しく対応する移住制度の構築は可能と唱え、その鍵を握る方策として、◇自国におけるディーセント・ワークの促進、◇労働力移動の動的な変化に対応する形での二国間協定及び地域協定の改善、◇公正な移住の実現に、より良く応える多国間システムの確保、◇社会対話の価値の認識などを挙げました。

 ライダー事務局長は、5月28日に開幕する今年のILO総会に提出される事務局長報告のテーマを「公正な移住」とし、そのためのILOの取り組みを提案しています。

スウェーデンとILOの新パートナーシップ計画発表

ライダー事務局長(写真左)とゴルニツカSida長官

 「移住と開発に関するグローバル・フォーラム(GFMD)」第7回会合出席のためにスウェーデンを訪れていたガイ・ライダーILO事務局長は5月15日にスウェーデン国際開発協力庁(Sida)のシャルロッテ・ペトリ・ゴルニツカ長官と会談し、同国とILOの新たなパートナーシップ計画第1期の開始を発表しました。若者の就労と労働者の権利、とりわけ結社の自由と団体交渉、家事労働者の状況改善、より広範には国際労働基準の促進を優先事項とするこの計画に基づき、スウェーデンからは2014~15年の2年間について1億スウェーデン・クローナ(約15億円)の任意拠出が行われます。ペトリ・ゴルニツカ長官はこのパートナーシップ計画について、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が貧困削減と持続可能な開発の中心事項であるとのSidaの信念を再確認するもの」と語っています。この合意について、ライダー事務局長は「世界中のディーセント・ワークと社会正義の促進に向けたILOの取り組みに対する大きな支援」として感謝の意を表明しました。

 今回の拠出金額のうち、使途を定めずに拠出される300万ドル以上は、ILOの通常予算を補足するものとして柔軟に用いられます。Sidaはまた、ILOが今事業年度の最重要分野の一つに掲げる若者の就業に対して直接資金を拠出する最初の機関となりました。パートナーシップ計画は今後2017年まで続くことが期待されています。

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 以上は次のストックホルム発英文記者発表2点の抄訳です。

  1. コミュニケーション・広報局による2014年5月16日付記者発表:公正な移住の目標を掲げることを呼びかけるILO事務局長
  2. パートナーシップ・現地業務支援局による2014年5月14日付記者発表:スウェーデンとILOの新パートナーシップ計画発表