移住と開発に関するグローバル・フォーラム

移住と開発に関するグローバル・フォーラム・サミット会合で移住に係わる課題に取り組むカギを握るのは雇用政策と唱えるILO

2020年01月24日

 エクアドルの首都キトで2020年1月20~24日に開かれた「移住と開発に関するグローバル・フォーラム」の第12回サミット会合で、23日の閉会式において演説したフアン・ウントILO中南米・カリブ総局長代行は、国際的な人の移動に係わる課題に取り組むには、実効性があり持続可能な解決策を探求する戦略的な同盟と雇用政策がカギを握ると唱えました。そして、世界全体で移民労働者は現在、生産年齢にある移民全体の7割に当たる1億6,400万人(うち半数近くが女性)を数えるといったように、ほとんどの移住が直接あるいは間接的に仕事の世界と関わっていることに注意を喚起した上で、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の欠如、人道問題、気候変動のようなその他の課題が状況を悪化させており、世界中で移住を推進し続けるでしょう」との見通しを示し、この点で、基本的な権利と自由の実現や、脆弱性及び搾取の削減など、全ての人にディーセント・ワークが達成される基礎をなすものとして、ILOの基準がとりわけ重要なことを強調しました。さらに、移住政策と雇用政策の調整がうまく図られた場合、移民労働者の蓄えを減らし、最悪の場合には人身取引や債務奴隷へとつながる斡旋手数料などの移民労働者が負担する募集・採用に係わる費用・料金の撤廃に向けて前進できるであろうことを指摘しました。

 ウント総局長代行はまた、証拠に根ざした対話と世間の認識を形成するに当たっては、企業、労使団体、労働組合といった仕事の世界の行動主体のみならず、各国政府、学界、報道機関、自治体の長や移民当事者の間の連携が決定的に重要との考えをILOも共有することを明らかにし、ILOが奨励する労働力移動政策の策定及び実施における社会対話は、「ディーセント・ワークを支える耐久性と正統性」を事業計画に付与することに注意を喚起しました。

 「移住と開発に関するグローバル・フォーラム」は、国際的な人の移動についてのより良い政策を生み、革新的なアイデアを育み、パートナーシップを構築する方法に関する議論を促進することを目的として2007年に設けられました。フォーラムの2019年の議長国としてエクアドル政府が受入国となって開かれた第12回サミット会合には、150カ国の政府代表に加え、国際機関、市民社会、労使団体、地方自治体などの代表約1,300人の参加がありました。ILOからはウント総局長代行及びミシェル・レイトン労働力移動部長率いる代表団が出席しました。

 会合について、ウント総局長代行は、地方自治体のような新たな議論参加者があるなど、移住現象の多くの側面に触れた豊かで熱心な議論が展開されたとして評価しました。そして、多数の人々の一つの国から別の国への移動が提示する課題に対する対応力を増し、移住を取り巻く否定的な美辞麗句に国際的な場で対抗することの重要性を強調しました。さらに、将来的な話として、「国際的な人の移動は、仕事の世界における科学技術などの世界的な移行、課題、変容の反映であること」が認められる点を挙げ、労働者が守られ、差別や搾取なくその潜在力を発揮できるよう確保しつつ、労働市場のニーズを満たし続けようとするならば、「人間を中心に据えた仕事の未来への取り組み」が決定的に重要と訴えました。

 以上はキト発英文記者発表の抄訳です。