社会的保護と社会対話
社会的保護と社会対話の拡充に向けた公約を後押しするソウル宣言
2014年12月12日
去る11月20~21日にILOが国際経済社会評議会同等機関連合(AICESIS)及び韓国経済社会開発委員会(ESDC)と共催して韓国・ソウルにおいて開いたハイレベル国際会議には、国際労働組合総連合(ITUC)や国際使用者連盟(IOE)、国際通貨基金(IMF)などの国際機関・地域機関の専門家に加え、世界30カ国以上から90人以上の出席者があり、「社会的保護の土台(最低限の社会的保護)」の拡大促進における経済社会評議会及び同等機関の役割について幅広く検討を行いました。
討議資料として会議に提出されたILOの新刊書『Social protection global policy trends 2010-2015 - From fiscal consolidation to expanding social protection: Key to crisis recovery, inclusive development and social justice(世界の社会的保護政策動向2010~2015年-財政強化から社会的保護の拡大に向けて:危機からの回復、包摂的な開発、社会正義の鍵・英語)』にも示されるように、世界中多くの国で現在、社会的保護・福祉制度の見直しが進められています。ほとんどの中・低所得国が社会的保護制度の大胆な拡大に乗り出している一方で、財政強化に圧迫された社会的保護制度の改革、福祉対象の縮小、給付切り下げ、良質の公共サービスを受ける機会の制限が多くの国で見られ、社会に与える悪影響は相当のものになっています。このような公共福祉に係わる決定は社会対話を通じて形成されている国もあるものの、そうでない国も多く、限られたまたは全く協議をせずにテクノクラートが導いた解決策として閉ざされた扉の後ろで下された決定は、民の当事者意識を欠き、社会不安や社会及び経済に対する悪影響を招く可能性を秘めています。そこで、最適の公共政策の策定には、政府、使用者、労働者のみならず、学識者や市民社会など幅広い関係者の参加を得た全国的な三者対話が根本的に重要です。
会議で採択されたソウル宣言は、ILOの「社会的な保護の土台勧告(第202号)」及び「三者の間の協議(国際労働基準)条約(第144号)」に沿って、あらゆる社会対話を通じて社会的保護の土台を拡大する公約を強化しています。政府及び代表的な労使団体、その他関連機関の結集を得て、社会的保護の土台をすべての人に促進することに係わる事項の協議を図る経済社会評議会及び同等機関の取り組み強化を目指す本宣言は、経済危機の時代においても、社会・労働政策を公平で持続可能なものとするために第144号条約を中心とする社会対話分野のILOの文書を尊重するとの公約を再確認しています。宣言はILOに対しては、貧困との闘い及び社会正義の促進を政策課題に組み込んでもらうことを目指して国際金融機関との話し合いを始めることを求めています。2015年にモスクワで開かれるAICESISの総会には宣言の具体的なフォローアップ活動の提案が出される予定です。
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