自由のための50カ国広報キャンペーン
現代の奴隷制の恐怖を描く映画の上映会を主演俳優の参加も得て開催
2017年07月11日
アルゼンチン国内のみならず、チリやメキシコ、ウルグアイ、韓国など複数の国で賞を受けたアルゼンチン映画「El patrón: Radiografía de un crimen(ボス:ある犯罪の解剖学)」は、アルゼンチンの田舎に住む読み書きのできないエルモヘネスが、首都ブエノスアイレスに出稼ぎに来て、肉屋で強制労働に陥る現実生活の悲惨な物語を描いています。現代の奴隷制が人にもたらす悲劇に光を当てたこの映画で主役のエルモヘネスを演じたホアキン・フリエル氏とセバスティアン・シンデル映画監督は2016年にアルゼンチン映画批評家協会から権威あるコンドル賞の主演男優賞と作品賞をそれぞれ授与されました。ILOの「自由のための50カ国広報キャンペーン」の広報協力者でもあるフリエル氏は、キャンペーン用に制作された同じ物語を題材にした短い動画にも出演しています。
7月30日の人身取引反対世界デーを前にした2017年6月20日、ILOは国連ジュネーブ事務局と協力してフリエル氏を特別ゲストとして招き、ジュネーブで「El patrón」の上映会を行いました。上映後に開かれた交流会でフリエル氏は観客からの質問にも答えました。上映後の討論会にはジュネーブにある強制労働被害者の支援団体「オ・クール・デ・グロット」のアンヌ=マリー・ヴォン・アルクス=ベルノン副所長とILOのオーレリー・オーシェール・ブオン強制労働専門家も参加しました。
アルゼンチンは2015年に「自由のための50カ国国内広報キャンペーン」を開始しましたが、フリエル氏とシンデル監督はこの発足式典にも出席しています。キャンペーンの目的の一つは、2018年までに「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」を少なくとも50カ国に批准してもらうことですが、アルゼンチンはキャンペーンを受けて2016年11月に議定書を批准しています。
「自由のための50カ国広報キャンペーン」について、「現代の奴隷制に関する意識を高めさせ、そしてとりわけ政府に働きかける手段となる最も重要なキャンペーン」と評価して、キャンペーンを支持するフリエル氏は、映画のあらすじにいたく心を動かされたこと、そしてこの問題について語ることができるため知らなくてはならない物語であり、広く語り伝えるべき物語であるとして、自身の演じた役が自分にとっていかに重要であったかを語っています。シンデル監督は、この映画を制作した動機の一つとして、エルモヘネスは肉屋の鍵を持っているといったように、この種の奴隷制が鎖や南京錠を用いていないにもかかわらず、被害者が逃げようとしない点を指摘して、現代の奴隷制には目に見えない心理的な南京錠という異なる種類の鎖が存在することを理解する必要性を説いています。
スイス滞在中にフリエル氏はガイ・ライダーILO事務局長とも会談し、多くの報道機関のインタビューに応じただけでなく、フェイスブック経由で視聴できるライブ・インタビューに出演して視聴者からの質問にも答えました。
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1930年の強制労働条約の2014年の議定書