若者の就労

新刊:若者の就労危機に対処するには世界規模の行動が緊急に必要

2015年10月13日

 世界全体で18億人を数える若者人口の3分の1が、現在、就労も就学も訓練受講もしていないニート状態にあります。今後10年で新たに10億人の若者が労働市場に加わると見られますが、現状では仕事に就けるのはこの4割に過ぎず、予想される若者の就業率に合わせるだけでも世界経済は今後10年、毎月500万人分の仕事を創出する必要があります。状況は地域によって異なるものの、若者が持続可能で生産的な仕事を見つけられないという問題は世界共通であり、これは不平等の拡大に寄与し、社会の緊張を高め、各国及び地球全体の現在及び将来の繁栄や安全保障を脅かしています。

 このような状況を変えることを目指して、ILOや世界銀行グループなども参加して2014年10月に発足した世界的なパートナーシップ連合体「若者の就労のための解決策(S4YE)」がまとめた初の報告書『Toward solutions for youth employment: A 2015 baseline report(若者の就労のための解決策に向けて:2015年基本線報告・英語)』は、若者の就労危機を逆転させるのは急を要する世界的優先事項であり、何もしなかった場合、社会や経済は高いコストを支払うことになると警告しています。

 今年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中には、生産的な完全雇用やすべての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進の目標(目標8)も盛り込まれ、進捗状況を測定するターゲットの中には、若者のニート比率を2020年までに大きく減らすことなどが含まれています。報告書はこの進捗状況を測定する助けになる基本線を提供することを目指し、現状をまとめ、制約要因を特定し、成功を収めているあるいは前途有望な事業計画に関する知識を元に危機を解決する潜在力を秘めている方策を示しています。女性や紛争の影響を受けている若者、脆弱な国に住む若者など、特に注意が必要な層にも光を当てています。

 報告書は、若者は年長の人々よりも起業傾向が高いことを示しており、S4YEのマネジャーを務めるマット・ホブソンは、「あらゆる介入事業のなかでも初期起業家に支援を提供するものが最も効果的であることが分かっている」と語っています。

 若者の就労を巡る複雑な状況と就労を促進する方法については近年大いに理解が進んでおり、問題に取り組むための政策や事業計画といった対応策は既に幾つか判明しています。若者のチャンスを広げるものとして、S4YEは若者の機会を支援する四つのフロンティア領域(デジタル時代の影響、技能ギャップ、起業家精神・起業、良質の仕事)に優先的に焦点を当てていく予定です。あらゆるレベルの政府、公的機関を巻き込んだ協同活動なしには若者の完全雇用達成における成功、持続可能性、規模は達成されないでしょう。力を与えられ、仕事を得た若者世代が世界の繁栄を推進する世界の実現に向けて、S4YEは世界的な調整を育むことによってリンクを形成し、証拠を基盤とした知識を収集・活用することによって学び、成果が立証された解決策の規模を拡大するための資金を用いることによって効果を高めることを目指しています。

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 以上はワシントン発英文記者発表の抄訳です。