産業別会合:教育部門
教育者がより良い仕事の未来を築く手助けができるための支援を今提供することを呼びかけるILO会議
2021年05月24日
世界中から政府、労使団体の代表が参加して、2021年5月17~21日に開かれたILOの「全ての人の生涯学習、技能、全ての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を目指す取り組みの文脈における教育部門の仕事の未来技術会合」では、教育者が新型コロナウイルス後の回復に貢献できるよう、その教育訓練とディーセント・ワークに投資する緊急の必要性が指摘されました。
より良い仕事の未来のためには、全ての人に効果的な生涯学習と質の高い教育の機会が開かれることが必要不可欠であり、教員、指導員、教育支援労働者らがこのニーズを満たし、前途にある課題に取り組むための道を切り開くには、新技術や学習技術に精通し、労働市場の技能ニーズを理解し、責任の拡大に対処できる支援を受けられる必要があります。
会議で採択された結論は、教育者のディーセント・ワークと質の高い教育訓練に投資する強い任務を政府、使用者、労働者に付託するものとなっています。会議の参加者らは教育は商品ではなく、人権、公共財、公的責任事項であると強調しました。会議ではまた、民間セクターにも質の高い教育の提供において担うべき役割があることが強調されました。
会議の議長を務めたバルバドスの在ジュネーブ国連常駐代表チャド・ブラックマン大使は、今後は教育と技能に対する投資が要請されるであろうことに注意を喚起した上で、「生活と仕事に向けて学習者を準備できるよう、意欲ある、十分な支援を受けた教職員が必要」と強調しました。
新型コロナウイルスの世界的な大流行は教育者に大きな課題を提示しており、とりわけ科学技術の大規模な利用という既に進行しつつあった変化の速さを示すことになりました。追加的な責任事項や役割に加えて、このような変化は教員、教育管理者、教育支援職員の職務内容に大変革をもたらしています。前途に横たわるもう一つの課題は、教育の世界と使用者のニーズの接続、そして技術・職業教育訓練への投資です。サンティアゴ・ガルシア・グティエレス使用者側副議長は、「労働市場のニーズに対応した教育訓練制度の確保」を最優先事項に位置づけた上で、「資金・資源と経験の提供、そして使用者が求める技能を学習者に備えるため、民間セクターと教育訓練を結びつける緊急の必要性」を指摘しました。
教育者の労働条件に影響を与えている課題への対処が必要ですが、これは社会対話を通じて行うのが最善であることで、会議の出席者らは合意に達しました。イェルメル・エベルス労働者側副議長は「雇用の安定、十分な賃金、福祉、仕事量の管理、教育政策、職業上の自治などのディーセント・ワークを促進する上で社会対話は決定的に重要」と強調しています。そして、会議の結論には、人工知能(AI)や機械学習の利用に関する団体交渉や、データ保護とプライバシーに関する規定が含まれていることを挙げ、「これは教育を形作っている数多くの変化についての発言力を教育者に確保する上で重要になるでしょう」と指摘しています。政府側副議長を務めたエチオピアの在ジュネーブ国連常駐副代表マーレット・ハイル・ガデイ大使も「教職員は質の高い教育制度のカギを握る要素であり、教育の質を確保するには、これらの人々にディーセント・ワークを提供することが決定的に重要」と説いて、会議の結論の採択を「非常に重要」と評価しています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。