女性に対する暴力撤廃の国際デー

性差に基づく暴力を扱ったエジプトの短編ドキュメンタリー「パパへのメッセージ」がILO賞を受賞

2020年11月25日

 携帯電話、スマートフォンなどの移動通信機器で撮影した動画を対象とするシャシャ移動通信映画祭でILOは性差に基づく暴力の被害者である若い女性の物語を描いた短編ドキュメンタリーにILO賞を授与しました。iPhoneだけを使って撮影された、エジプトの映画監督ロアイ・ガラル氏による9分半の短編「パパへのメッセージ」は、児童労働、児童婚、女性や少女に対する暴力、奪われた子ども時代といったILOが扱う多くの基本的な問題に触れています。

 ILOが後援する特別短編部門で最優秀賞を受賞した本作品は、家事労働者として働いていた12歳にも満たない子どもが父親の年齢ほどの男性と結婚させられたエピソードを扱っています。カメラの前で証言する成人した彼女は、男を野蛮な獣だと印象づけられた初夜を決して忘れないと語り、子ども時代を取り戻し、学校を終えたいとの希望を語っています。そして、「あの結婚によってパパは自分の子どもを殺したのよ」と父親に語りかけ、「神よ許し給え」とつぶやいて証言を終えます。

 監督は作品の着想点を、男女平等を阻む主な障害は男性の行動様式及び態度であるとの考えから来ているとして、「彼女は商品ではないし、誤った決定は人の一生を台無しにするのに十分です。これは私が調査の過程で同情した実話です」と語っています。

 審査はILOコミュニケーション・広報局が務め、物語性、創造性、取り組みの熱意などを含む様々な判断基準をもとに選考しました。「非常に感動させられたポートレート」とこの作品を評するマーティン・マーフィー局長は次のように語っています。「この作品は非常にうまく作られており、問題に対するアプローチがクリエイティブです。男女平等と最悪の形態の児童労働の撲滅は17の持続可能な開発目標(SDGs)達成のカギを握る要素であり、ILOのあらゆる政策成果目標を横断する主要な政策推進要素です」。

 11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の数日前に事務所で開いた授賞式において賞を授与したILO北アフリカ・ディーセント・ワーク技術支援チーム(DWT)兼エジプト・エリトリア国別事務所のエリック・オクスラン所長は授賞式におけるスピーチで、「青年期を含むあらゆる年齢の女性の権利と男女平等の重要性を再確認させてくれた監督」に対する祝意を表明した上で、次のように語りました。「女性は健康への権利、教育への権利、そして虐待や害悪から保護される権利があります。早すぎる結婚や児童労働その他の幼い者への強制は、低い教育水準、精神的問題、そして明日の女性の脆弱で不安定な仕事へとつながります」。

 2020年10月25~31日に初めて開催されたシャシャ移動通信映画祭には90カ国から3,500点を超える応募があり、様々な部門で複数の賞が授与されました。主催者は映画産業の場面を通じて示され、認められる若い才能に活躍の場を提供する移動通信映画文化に対する信念を語っています。

 以上はILOアフリカ総局によるカイロ発英文記者発表の抄訳です。

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