協同組合
労働者協同組合の結成を通じた雇用保全が労働組合に示す教訓:第2回国際協同組合サミットでILOは新刊を発表/ポラスキーILO副事務局長が演説
2014年10月08日
2014年10月6~9日にカナダのケベックで開かれている第2回国際協同組合サミットでは、より多くのより良い雇用の確保に向けたもう一つの開発路線の提供において協同組合が果たし得る役割に関する話し合いが行われています。その議論に資するものとして、ILOの労働者活動局と協同組合課は、買収を通じて企業閉鎖を防止する取り組みにおいて協同組合と労働組合が学んだ教訓を記した新刊書を発表しました。『Job preservation through worker cooperatives: An overview of international experiences and strategies(労働者協同組合を通じた雇用保全:国際的な経験と戦略の概観・英語)』と題する報告書は世界各地の成功事例を紹介し、成功を導く条件についてまとめ、破綻企業の従業員には買収入札を行い、企業を協同組合に転換する機会が与えられるべきと説いています。
報告書は職場閉鎖の相当割合が経済的な将来性を秘めていても、経済情勢や資金繰りに失敗して事業が立ち行かなくなっている企業で起こっていると論じ、このような状況下では、労働者が組合の支援を受けて買収入札を行い、職場を労働者の所有する協同組合に変えることが推奨できるかもしれないと記しています。そして、労働組合が先行対策的に行動することが重要として、そのための条件として、◇企業の財務・経済情報を入手できる機会の確保、◇破産手続きにおけるしっかりとした支配権の確立、◇救済された企業の将来性を評価する専門知識を入手できる機会の確保、◇労働者に開かれている選択肢について労働者に伝える能力、といった事項を挙げています。
◎新しい革新的な分野に手を広げる、価値に主導された企業として、協同組合は相当の役割を演じることができるし、そうすべきと説くポラスキーILO副事務局長
第2回国際協同組合サミットでは雇用が五つの主要テーマの一つに選ばれています。サミット2日目に開かれた雇用創出と生産性向上に関する円卓討議に参加したサンドラ・ポラスキーILO政策担当副事務局長は、世界金融危機の影響によって依然高い失業水準とインフォーマル就業、長期的な傾向としての仕事の質の低下、労働者のほぼ4人に1人が働く貧困層に属する途上国、非自発的な臨時労働や短期請負労働などが急増している多くの先進国など、労働市場で見られる深刻な課題を列挙した上で、保健医療から再生エネルギーまで新しい革新的な分野に手を広げ、人々に雇用、ノウハウ、インプット、金融、製品、サービスを公正な価格で提供している、価値に主導され、主義に則った事業体としての協同組合は相当の役割を演じることができるとして、そうすることを呼びかけました。そして、協同組合の促進勧告(第193号)や労働者協同組合を通じた企業再構築に関する調査研究、国際労働統計家会議で採択された協同組合に関する統計データについての決議、児童労働や差別に対する取り組みなどにおいて協同組合が果たし得る役割や潜在力に関する調査研究など、協同組合に係わるILOの活動を紹介し、95年間に及ぶ協働関係を踏まえて仕事の質と量を高める協同組合企業を支援する新たな道が見出されることへの期待を述べました。
* * *
以上は労働者活動局によるケベック発英文記者発表とサミットにおけるポラスキーILO副事務局長の英文演説原稿の抄訳です。