湾岸諸国との協力
労働市場の統治を育むILOとアラブ首長国連邦の模範的事業計画が始動
2016年05月23日
| 労働市場の統治における革新計画発表会におけるジャラダトILOアラブ総局長(中央着席左)とアラブ首長国連邦のグバーシュ人的資源・自国民化大臣(同右) |
世界屈指の外国人労働者受入国であるアラブ首長国連邦では、居住人口の8割以上に相当する約800万人の外国人労働者が暮らしています。民間部門労働者の大半を外国人労働者が占め、自国民は主として公的部門で働く同国は、労働市場の統治(ガバナンス)に係わる様々な問題に直面しています。そこで、ILOとアラブ首長国連邦は2016年5月23日に首都アブダビで会合を開き、この問題に取り組む新たな戦略的技術協力計画の開始を発表しました。
湾岸協力理事会(GCC)諸国におけるこの種のものとしては初めての、この「労働市場の統治における革新(イノベーション)計画」の下、ILOアラブ総局とアラブ首長国の連邦人的資源・自国民化省は労働市場情報システムと外国人労働者の統治の改善に協力して取り組むことになります。これは具体的には、情報システムのグレードアップ、労働監督の改善、すべての労働者の司法利用機会の拡充・紛争解決の仕組みの実行を通じて達成されます。2014年にILOの視察団を受け入れた人的資源・自国民化省は、2年間のプロジェクトを通じて共にこの課題に取り組むことをILOに申し出て、190万ドルの予算を計上しました。
プロジェクト発表会においてサケル・グバーシュ人的資源・自国民化大臣は、同国の労働市場は強靱であり、労働市場の統治強化は国の政策課題において極めて重要な地位を占めることを紹介した上で、「我が国は常に最善を目指して努力してきた」として、強固な技術基盤の上に構築された詳細な分析と研究が効率的な労働市場政策の策定を可能にすることへの期待を表明しました。
ILOからこの会合に参加したルバ・ジャラダト・アラブ総局長は、この新しいプロジェクトは人的資源・自国民化省が「最新の近代的なツールを身につけて、労働市場を統治し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の確保における主導的役割を示し、他の域内諸国に範を示すことを可能にしよう」として、既に他の域内諸国もこのような協力関係に関心を示していることを明らかにした上で、今年に入ってから施行された3省令を含む数々のイニシアチブを通じて、一時滞在の外国人労働者の労働条件改善に向けた指導力を発揮してきた大臣の努力を賞賛しました。さらに、労働市場の統治を強化することは、アラブ首長国連邦が労働市場のニーズに応え、包摂的な経済成長と経済開発を育む助けになるであろうとの期待を示しました。
プロジェクトの運営を担当するキナン・バハナシILO主任技術顧問は、今後予定される活動として、プロジェクトが労働市場・労働力移動政策の方向性を定めるツールや分析能力を政策策定者に提供し、労働者の虐待を予防し労働安全衛生問題に対処するよう労働監督制度を強化し、個別労働紛争の予防・解決メカニズムの構築や労働者の司法利用機会改善に取り組むであろうことを紹介しました。このプロジェクトは、アラブ首長国連邦の長期政策枠組みである「ビジョン2021」及び全体的な国家開発課題にも寄与することが期待されます。同国は既に2008年から、アブダビ対話として、アジアにおける臨時契約労働の流動性改善を目指す地域協議の場を提供しています。
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