アフリカ使用者サミット

使用者はアフリカの経済・社会の良好な状態を推進する強力な要素と語るライダーILO事務局長

2016年05月07日

 アフリカの使用者と民間部門の声を代弁する団体であるビジネス・アフリカがILO及び国際使用者連盟(IOE)の協力を得てケニア使用者連盟と共催した初のアフリカ使用者サミットが、2016年5月5~7日にケニアのナイバシャで開かれました。ビジネスに優しい環境と企業家精神の重要性を強調するようなアフリカの雇用戦略の設計に向けた討議を目的としたサミットには、マリ、コートジボワール、コンゴ民主共和国などアフリカ11カ国の使用者団体の上級代表に加え、ILO、IOE、ビジネス・アフリカ、世界銀行などからのハイレベル代表、民間部門からの参加者や政策指導者も出席しました。

 6日の開会式典で基調演説を行ったケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、「大統領として、政府だけでは開発を推進できないことを知り、政府は雇用を創出する種類の企業を支援する一定の役割を演じてはいるものの、公共政策はより幅広い解決策の一部に過ぎないことに気づいた」ことを、今回サミットに出席した理由に挙げ、企業が開発にとってどれほど必要不可欠であるかを強調しました。

 同じく開会式典で挨拶したアエネアス・C・チュマILOアフリカ総局長は、経済転換、持続的な成長、人間らしく働きがいのある雇用を生じさせるには、アフリカ諸国の政府は民間部門及び労働者代表と連携して、「若者に人間らしく働きがいのある仕事を創出する」という今の時代のカギを握る課題の一つに取り組む必要があると訴えました。また、「過去10年にわたる賞賛すべき経済成長のおかげで、アフリカは今では新たな機会の開拓地、成長潜在力の中心地と広く見られているものの、この成長はアフリカの大多数の人々の生活の質を大幅に引き上げただろうか」と問いかけ、サミットの中心的なテーマである「仕事の創出に向けた企業家精神とビジネスの成長促進」の重要性を強調し、基盤構造の不足に対する対応、より深い地域統合、雇用機会の拡大を図りつつ有能な労働力を育成すること、デジタル技術の活用などといった主要な制約要因に取り組むことを意思決定者たちに呼びかけました。さらに、過去10年の間、アフリカがたどってきた軌跡は変革を導くような成長と発展の大きな機会を新たに開くことになったものの、最近の成長傾向を下支えしてきた一次産品に対する高い需要は堅固なわけではなく、中国経済に現在見られる減速や方向転換、原油価格の激しい落ち込みがアフリカの多くの一次産品輸出国に悪影響を与えている事実に注意を喚起しました。また、都市に流入する若者人口に機会を与えるような力強い経済発展基盤の構築に失敗した場合、達成された進歩を逆転させるような不安定な状況が生じる可能性に警鐘を発しました。

 7日の閉会式典で挨拶したガイ・ライダーILO事務局長は、「アフリカの使用者と企業は、既に実際そうであるように、今後もこの大陸の経済及び社会の良好な状態を力強く牽引していかなくてはならない」と説いて、民間部門の発展の速度と形態がアフリカの力強く持続的で包摂的な成長に大きな影響を与えるだろうと指摘しました。また、持続可能な開発目標、とりわけディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する目標8に言及して、事務局長は、この「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は仕事の世界の行動主体を開発目標のみならず開発そのものの中心に据える独特の洗練された野心的な取り組みを表しており、民間部門はその実行のカギを握る行動主体として中心的な位置にあることを説明して、誰も置き去りにしない経済成長を生み出す上でアフリカの使用者が果たし得る重要な役割を強調しました。そして、この野心的な目標を達成するために、政労使間の社会対話を雇用政策の中心的な支柱として用いつつ、利害関係者同士が幅広いパートナーシップを構築する必要性を説くと共に、周知の事実であるところの就労に係わる最も基本的な権利のサプライチェーン全体を通じた一貫した適用と、企業イメージ、生産性、長期利潤とのプラスの結び付きの方向に産業を押しやるパートナーシップの構築に向けた強力な擁護者の必要性を訴えました。

 ライダー事務局長はまた、毎年1,800万人ずつ生産年齢人口が増えているアフリカ経済が直面している若者の高い失業率やインフォーマルな就労形態の多さといった課題の規模にも触れ、アフリカの政労使は「今世紀半ばまで続くであろうサハラ以南アフリカのまれに見る例外的かつ特別な人口配当を活用できるか、それともこれを単なる時限爆弾で終わらせるかといった問題を突きつけられている」と指摘しました。科学技術、気候変動、人口動勢といった巨大な変化の推進要素に押され、今日の仕事の世界は10年前とは様変わりしていますが、事務局長は、ILOが2019年の創立100周年に向けた記念事業の一つとして開始した「仕事の未来イニシアチブ」について、「これは単なる学術的な作業でも祝賀作業でもなく、今後10年間の仕事の世界に影響を与える変化に備えるために必要不可欠な貢献である」として、この一環として開始された各国内における政労使三者対話への従事を企業リーダーらに呼びかけました。

 ライダー事務局長はケニア滞在中、同国のフィリス・キャンディー労働・東アフリカ問題担当官房長、ケニア労働組合中央組織(COTU-K)のフランシス・アトオリ書記長といったILO理事らとの懇談も行いました。

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 以上はILOアフリカ総局による次の3点の英文記者発表の抄訳です。