第104回ILO総会
仕事の世界サミット:気候変動に関する政労使の動員を呼びかけるオランド仏大統領
2015年06月11日
現在ジュネーブで開かれている第104回ILO総会の特別会議として「気候変動と仕事の世界」をテーマとする仕事の世界サミットが6月11日に開かれました。特別ゲストとしてサミットで演説したフランスのフランソワ・オランド大統領は、「気候に対する取り組みは、成長、正義、労働者の権利に対する取り組み」と説き、気候変動に対処し、技術の変化を先読みし、エネルギー移行における成功を確保し、真の国際労働法を保障するよう行動を起こすことをILO加盟国、社会的パートナー、企業、地域社会に呼びかけました。
| 第104回ILO総会仕事の世界サミットで演説するオランド仏大統領(仏語) |
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2015年12月にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の準備状況に言及し、大統領は、気候変動について、「すべての国が持てる資力・手段、責任に応じて温室効果ガス排出量を削減する公約を行うことなしには対応できない世界規模の課題」として、世界が必要とする財源が2020年には年間最大1億ドルに達することを強調して、「強制的かつ差違ある世界規模の合意」の必要性を訴えました。そして、気候変動との戦いにおけるILOの先行対策的な役割に触れ、ILOは、気候変動会議や2015年以降の開発課題、貿易交渉など主要な世界会議の準備に「もっと関与すべき」と主張しました。
ILOでは、各国がすべての人にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が実現されるような適切な政策を採ったならば、より環境に優しい経済への移行によって今後20年以内に、新興経済諸国・途上国をはじめ世界全体で約1,500~6,000万人分の職が新規に創出される可能性があり、多くの労働者が貧困から抜け出す助けになると見ています。オランド大統領も「何もしなければ、雇用喪失、失業、生活水準の悪化につながる可能性がある」と指摘して、「雇用創出」を第一優先事項として強調しました。
サミットに先立つ6月10日にフランスは、第20回締約国会議が開催されたペルーと共にジュネーブで、気候変動と人間らしく働きがいのある雇用に関する共同アピールを出し、成長、雇用創出、社会正義、男女平等、貧困根絶の力強い原動力として作用する可能性がある気候変動の緩和・適応に向けた取り組みの実施を各国に呼びかけました。
オランド大統領の紹介演説で、ガイ・ライダーILO事務局長は、成長と雇用の持続可能な改善を中心目標に据えて野心的な事業計画を実施しているフランスの過去3年にわたる失業問題との戦いにおける公約を賞賛し、低炭素経済への移行や気候変動関連問題などの課題への取り組みに対するフランスの支持を歓迎しました。気候変動に係わるILOの主張の基盤になっている考えは、◇環境分野の移行は仕事と成長に対する機会を提供するので、これを捕らえなくてはならず、◇この経済が必要とする技能と訓練を先取りしなくてはならず、そして、◇貧困と不平等に対する戦いの効率性向上を助けることによってこの移行を公平なものとすべき、というものです。これは一言で言うと、「ディーセント・ワークと気候変動に対する取り組みが手を携えて進み、互いに補強し合うこと」を意味するとライダー事務局長は説いています。
オランド大統領とライダー事務局長はまた、ILOとフランスのパートナーシップ協定を新たにする協定に署名しました。この協定に基づき、フランスはフランス語圏アフリカ諸国を中心に、ディーセント・ワークの促進、統治(ガバナンス)と人権、社会的保護の土台、児童労働との闘いなどといったILOの優先活動分野における技術協力計画に対して4年間で最大約1,400万ユーロの任意拠出を行うことになっています。今回の協定はまた、企業の社会的責任(CSR)を促進するILOの取り組みに対するフランス企業の関与をもたらし、仕事の未来に関するILO100周年記念事業を支えるものともなります。
フランスはまた、2015年末までに強制労働条約(第29号)の2014年の議定書を批准する意向を示しています。
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以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。