第104回ILO総会

仕事の世界サミット:成長と福祉は手を携えて進めるべきと説くパナマのバレーラ大統領

2015年06月11日

第104回ILO総会仕事の世界サミットで演説するパナマのバレーラ大統領

 現在ジュネーブで開かれている第104回ILO総会の特別会議として「気候変動と仕事の世界」をテーマとする仕事の世界サミットが6月11日に開かれました。サミットで特別演説を行ったパナマのフアン・カルロス・バレーラ・ロドリゲス大統領は、仕事の世界に相当の変化を生み出すグリーン経済への移行と共に、人々の生活条件の向上を伴うような経済成長を確保することを重要な課題に挙げ、パナマを経済成長と社会福祉が手を携えて進む持続可能な開発を示す米州のモデル国家と化す夢を語りました。

 この10年、中南米屈指の経済成長が記録されているパナマは今後5年間も平均6%の成長が予想されていますが、大統領はこれを「人民すべてのための公平な発展と人間開発」に転化する必要があると語っています。また、パナマを含む中南米のほとんどの国が平和と経済成長を謳歌しつつも貧困や不安定の原因となる不平等や機会の欠如などの大きな課題に直面していることを指摘して、「不平等に対する戦いを続け、仕事を創出し、最も脆弱な人々の必要不可欠な公共サービス、人並みの住宅、保健医療、良質の教育に対する機会を確保しなくてはいけない」と訴えました。

 そして、気候変動の提示する課題に取り組む必要性を強調し、イノベーション(革新)を刺激し、伝統的な生産・消費様式を革命的に変える必要性を説いた上で、「開発は単なる富の蓄積以上のもの」として、「将来の経済はより環境に優しいだけでなく、より包摂的でなくてはならない」と説き、グリーン経済への移行は「公正な移行」であるべきことを訴えました。さらに、「新たに栄える仕事もあれば、消滅する仕事もある」として、グリーン経済への移行が雇用に影響を与えることに注意を喚起し、既に多くの産業部門で熟練労働者の不足が成長の重要な阻害要因と認められるようになってきたことを挙げ、低炭素経済を推進する能力開発の必要性を唱えました。

 バレーラ大統領は、気候変動と貧困という二つの主な課題に対する取り組みにおいて成功を望むならば、人類は革新的な解決策を探す必要があるとして、この二つの面で前進を示すことのできる最も強力な手段の一つとして「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」を挙げました。

 ILO訪問を機に、三者の間の協議(国際労働基準)条約(第144号)家事労働者条約(第189号)という二つのILO条約の批准書を寄託したバレーラ大統領は、パナマでは強制労働条約(第29号)の2014年の議定書の批准手続きも開始されたことを紹介した上で、自国を児童労働のない中南米最初の国にしたいとの決意を改めて表明しました。

 大統領を歓迎する挨拶で、ガイ・ライダーILO事務局長は、パナマ訪問時に印象づけられた「非常に特別な形態の経済力と社会対話に対する強い公約、国際労働基準の尊重」のすべての要素は、「より公平かつ包摂的で公正な社会の構築に向けた具体的なイニシアチブに反映されている」と述べ、大統領の今総会への出席について、「十分な良質の仕事の創出への貢献、そしてそれによって地球の持続可能性に貢献するという大統領の引き受けられた大いなる責任を体現するもう一つの例」として歓迎しました。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。