COP26

仕事の世界を優先させたパリ気候協定の実施を

2021年10月28日

 2021年10月31日~11月12日の日程でグラスゴーで開かれる国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(国連気候変動会議・COP26)の議論にはILOも参加します。会議の開幕に先立ち、ILOは、環境に優しい、よりグリーンな経済への公正な移行を確保するために、気候変動に関するパリ協定の仕事の世界の側面を優先させることを諸国に呼びかけています。

 各国政府は炭素排出量をゼロにする長期計画にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する明確かつ具体的な措置を組み込む必要があります。
 アントニオ・グテーレス国連事務総長は2019年に開かれた国連気候行動サミットで、二酸化炭素の増加を引き起こさない経済への世界的な移行に際し、人間らしく働きがいのある仕事を創出し、生計手段を保護するような人間中心の行動を取ることを求める「仕事のための気候行動イニシアチブ」を発表しました。ILOが実行を主導するこのイニシアチブには既に48カ国が参加を表明し、地球規模及び各国の気候行動の中心にディーセント・ワークと生計手段が置かれるよう確保する政策の策定を約していますが、さらに多くの国がこれに加わることが望まれます。

 加えて、構造変革と経済・社会の奥深い変容を成功させるためには、仕事の世界のあらゆる関係者を巻き込んだ包括的かつ整合性のある政策が必要です。

 ILOグリーン・ジョブ計画のムスタファ・カマル・グイエ部長は、ILOの「環境面から見て持続可能な経済とすべての人のための社会に向かう公正な移行を達成するための指針」に沿って、持続可能な成長、産業別・部門別政策、雇用・社会的保護政策、公共投資、企業、労働力移動の統治、技能、労働安全衛生、社会的保護、労働市場政策、権利、社会対話、政労使三者構成原則などの分野における具体的な行動を伴う社会・労働市場政策を総動員する必要性を強調しています。そして、「人間らしく働きがいのある仕事の創出を促進し、先住民・種族民、障害者、障害のある避難民、移民労働者、非公式(インフォーマル)経済や農山漁村部で働く人々、若者のニーズと優先事項に全面的に配慮することによって、気候行動に関わるあらゆる関係者に力を付け、誰も置き去りにしない気候変動政策」を確保する必要性を説いています。

 持続可能な経済への移行が労働者の生活の糧に悪影響を与えないよう確保するには、国内及び国際的な十分な財源が必要不可欠です。これは、技能開発や企業開発、社会的保護、積極的労働市場政策、雇用創出政策に対する公的財源の確保を意味します。気候変動対策の一部として、ディーセント・ワークの創出と経済及び労働力の公正な移行というパリ協定の目標に取り組むためにも国内及び国際的な金融メカニズムが必要であるとグイエ部長は指摘しています。

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。