第14回アフリカ地域会議

人間を中心に据えた仕事の未来に向けた活動をアフリカ諸国に呼びかけるガイ・ライダーILO事務局長

2019年12月03日

 アフリカ地域の54のILO加盟国の政労使代表が集い、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人に実現することを目指すILOのディーセント・ワーク課題の実施における歩みを検討し、ディーセント・ワークを伴ったアフリカの未来に向かう道を描くために話し合いを行う第14回ILOアフリカ地域会議が2019年12月3~6日にコートジボワールの首都アビジャンで開かれます。ガイ・ライダーILO事務局長は開会挨拶で、アフリカ大陸に存在する機会を捉えて、人間を中心に据えた仕事の未来に向けて前進することを参加諸国に呼びかけました。

 アフリカが自信を持って未来を見据えることができる理由として、ライダー事務局長は、◇世界平均より高いアフリカの経済成長予測、◇2035年までに労働力人口が1.6倍になると見られる人口配当、◇再生可能エネルギーを生み出す、ほかに見られない潜在力、◇科学技術の進歩によって開く可能性がある開発機会を挙げ、「若く、資源が豊かで、活力があり、創造的なアフリカは、様々な点で他の地域には存在しない可能性」を提示していると述べました。一方で、課題として、◇国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためにはアフリカは毎年、2,600万人分の雇用を新規に生み出す必要があること、◇年間680億ドルにも上る社会的保護の財源不足、◇経済的圧力、社会的圧力、移住圧力、◇気候変動とグローバル化の影響といった要素を指摘しました。

 そして、アフリカのみならず、世界全体の平和と繁栄を最も確実に保障するものとして、私たちが求めているのは、「社会正義を伴った仕事の未来」であり、これは100年の歴史があるILOの未完の業務であり、共に前進を図る必要があると訴えました。

 ライダー事務局長は、今年6月に開かれたILO総会で採択された「仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言」に示されている人間中心アプローチに焦点を当てて演説を行いました。このアプローチは、人々の能力に対する投資、労働が商品でないことを確保するための仕事に関連した制度・機構に対する投資、そして環境に優しいグリーン経済、農山漁村経済、ケア経済におけるものを中心とした持続可能なディーセント・ワークへの投資という三つの投資を基盤としています。この枠組みの中で、アフリカが特に優先すべき分野として、事務局長は、◇労働力の8割が従事する非公式(インフォーマル)経済の公式(フォーマル)化、◇生産構造の転換、◇経済の多角化、◇人間らしく働きがいのある就労機会をもたらす環境の構築、◇不平等対策、◇女性が完全かつ平等に労働市場に参加することを促進する活動、を挙げました。

 事務局長はさらに、「私たちは国際社会がほとんどの面で『持続可能な開発のための2030アジェンダ』の達成に向かう道から大きく外れており、私たち人間が権利を乱用して挑んでいる戦いに対してこの惑星が強く反撃している現実から目をそらすべきではありません。そして、この全ての課題にディーセント・ワークは深く関わっているため、私たちはもっとうまくやるよう非常に明確に求められているのです」と説いて、SDGs、「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」、そして各国政府が行った気候変動に対する取り組みの約束を実行する活動の加速化を呼びかけました。

 会議の討議資料として提出された事務局長報告は『社会正義の前進:アフリカにおける仕事の未来の形成』と題し、包摂的な成長と社会進歩のための政策提案をまとめる議論のたたき台になることを目指しています。会期中にはアフリカの仕事の未来に関連した様々なテーマを取り上げた一連のパネル討議も行われます。

 地域会議は開会式で、議長としてコートジボワールのパスカル・アビナン労働・社会的保護大臣、副議長としてジンバブエのポール・マビンバ政府代表、アルジェリアのエル・マフダハ・メガテリ使用者代表、ケニアのフランシス・アトオリ労働者代表を選出しました。

 今年はILOの創立100周年であるだけでなく、ナイジェリアのラゴスにILOのアフリカ地域事務所が初めて開設されてから60年目に当たる記念すべき年でもあります。

 以上はアビジャン発英文記者発表の抄訳です。

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