パートナーシップ
人と仕事を中心に据えた災害対応を促進
2014年09月25日
2012年12月に襲来したボーファ(現地名パブロ)台風によって壊滅的な被害を受けた東ダバオ州でILOはオーストラリア政府と協力して、再建を通じて被災コミュニティーの状況が改善され、持続的な収入源が創出されるよう手助けするために、職業訓練や持続可能な生計手段の構築、社会的保護の確保といった要素を含む支援を2年間にわたり提供してきました。この事業の成功は、昨年同じ地域を襲った熱帯低気圧アガトン(現地名レンレン)が引き起こした鉄砲水、地滑りの被害から被災地がより迅速かつ効果的に立ち直ったことからも証明されています。
ILOとオーストラリア政府は9月26日にマカティ市で「災害から抜け出すための仕事:仕事に主導されたパブロ台風後の成長」と題し、人と仕事を中心に据えた災害対応策について被災コミュニティーのリーダーらと話し合うフォーラムを開催します。ILOフィリピン国別事務所のローレンス・ジェフ・ジョンソン所長は、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と持続可能な生計計画を通じた復旧の取り組みによって人々をより効果的に立ち直らせることが可能になり、コミュニティーが再び歩み始めていることを報告しています。ビル・トゥエデル駐フィリピン・オーストラリア大使は計画成功の基盤となった複数の原則があるとして、「人々がこの計画の提供する機会をもとにして将来的に福祉や支給物資に頼らずにやっていくチャンスが与えられたこと」を「鍵を握る要素」に挙げています。人々には必要な道具と技能訓練に加え、安全装備や安全指導も提供されました。
フォーラムでは人々の自然災害対処力の強化とより高いレベルの繁栄水準の達成に向けて展開されている活動事例の発表が行われます。バガンガ町では10のバランガイ(住民自治組織)を巻き込んで50ヘクタール以上の農地を用い、元政府反対勢力によるトウガラシ生産サプライチェーン(供給網)の形成に向けたプロジェクトが実施されました。政府のサービスが及んでいない地域がほとんどであったため、プロジェクトは様々な要素を含み、トウガラシの加工、製品としての質の確保、より効果的な販売・増収戦略に関する訓練提供・指導に加え、住民自身で維持できる給水システムの構築に対する支援も提供されました。建設工法の訓練を受けた農民らによって60mの吊り橋が造られたことにより、地域のアクセスも改善されました。2年後の今、悪天候でもバガンガ町の住民は市場に行くことができ、子どもたちの通学も楽になりました。
17キロに及ぶ灌漑用水路の汚泥が取り除かれ、通水が確保された別のプロジェクトでは、田んぼが再び使えるようになり、州の穀倉地帯として知られる地域の住民は4億ペソ(約10億円)を超える損失を回収することができました。用水路補修後のカティール町の米収穫高は1ヘクタール当たり60袋に達しています。東ダバオ州ではまた、83ヘクタールの土地が新たに整地されたことによって、トウモロコシやキャッサバ、野菜も生産できるようになりました。ミミズの排泄物を生産する施設も設置され、1万5,000人の受益者が高価な化学肥料や農薬にあまり依存せずに、より環境に優しい有機農法を促進し、低コスト高収穫の作物生産を達成しています。
沿岸部では50ヘクタール以上に及ぶ海岸域に1万5,000本以上のマングローブが植樹され、この結果、複数種類の魚介類繁殖地としての生息環境が回復し、将来にわたる漁民世帯の収入源が創出されました。ボストン町ではロブスター養殖施設が建造され、2.7ヘクタールに及ぶボストン・コーヒー栽培者協会の育苗施設の修繕も終わり、新たに鶏の雛も提供されました。
2ヘクタールの土地を整地し、エコロッジや遊歩道を建造し、73メートルの小道を滝まで通し、森林アドベンチャー・ツアー及びエコツーリズムも開始されました。マホガニーの木が植えられ、灌漑用水路も整備されました。2年間のテント生活を経て、公民館、デイケアセンター、食品ターミナルなどの施設も再建されました。ILOとオーストラリア政府はカティールとボストンの25のバランガイの電力復旧も支援しました。
労働者とその家族は社会保障制度及びフィリピン健康保険に加入したことによって、事故や医療の給付、社会保障給付を受給できるようになりました。計画のもう一つの要素として、ミンダナオのNGO連合であるチャイルド・アラート・ミンダナオと国連人口基金(UNFPA)による人身取引、児童労働、女性と子どもへの暴力に反対する教育及びラジオ・キャンペーンも展開されています。
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以上はILOフィリピン国別事務所によるマニラ発英文記者発表の抄訳です。