世界銀行/IMF会合
世界銀行/IMF2016年春季会合向けライダーILO事務局長声明-低成長の罠を打破する緊急の行動が必要
2016年04月16日
ガイ・ライダーILO事務局長は、4月15~17日の日程でワシントンDCで開催されている世界銀行と国際通貨基金(IMF)の春季会合に向けて世界的な低経済成長の悪循環から抜け出すには緊急の行動が必要と訴える声明を発表しました。
16日に開かれた国際通貨金融委員会に向けた声明で、ライダー事務局長は、危機前の成長水準が維持された場合と比べて7,000万人以上多い現在の無業者が2020年までに8,000万人以上に増える見通しや、成長の鈍化が、生産性も報酬も低い仕事をより良い就労機会に変える動きを鈍らせている現状を指摘しています。
そして、所得不平等の拡大及び労働分配率の低下は、世帯消費を制限し、総需要の低下を招き、経済成長をさらに低下させる悪循環につながるとして、不平等の削減、人間らしく働きがいのある仕事及び持続可能な企業の創出、2015年12月に採択されたパリ協定に沿った、より包摂的かつ環境に優しく、より高い成長のための基盤構造に対する投資に向けた協調を図った行動によって現在の趨勢を逆転させることの重要性を強調しました。さらに、民間投資や家計消費が弱い現状では、政府が率先して行動を起こすことが必要と訴え、団体交渉などの労働市場関連機構の強化、最低賃金などを用いた賃金不平等の縮小、若者の失業に特に注意を払った、労働市場における脆弱な集団の雇用成績の改善など、一連の雇用・社会政策を提案しました。
また、仕事は人々の暮らしの中心に位置することに注意を喚起し、とりわけ仕事と賃金の観点から見た世界経済の低迷を政治的・社会的緊張の高まりの主因に挙げ、難民危機対策にもディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を得る機会を含むことを提言しています。そして、2016年に何の行動も起こさなかった場合、低成長の悪循環から抜け出すことは難しくなり、昨年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で想定された世界の達成が脅かされようとの見通しを示しました。
同日開かれた開発委員会に向けた声明でもライダー事務局長は、より高く、よりグリーンで、より包摂的な成長に向けた緊急の行動を呼びかけました。事務局長は低成長による世界的な仕事不足の拡大と貧困削減ペースの鈍化、そして所得不平等の拡大と労働分配率の低下が成長を傷つけている現状を説明した上で、包摂的な成長のための一連の政策を提案しました。さらに、世界経済低迷の長期化が多国間システムを損ないつつある現状に警鐘を発し、持続可能な開発目標の全体にわたって進展を推進する主な要素として、ディーセント・ワークを創出し、経済成長と環境劣化を切り離す、より包摂的な成長形態への移行を挙げています。