世界人道サミットILOサイドイベント

世界人道サミットILOサイドイベント:シリア難民危機取り組みにおけるディーセント・ワークの役割を強調

2016年05月25日

ILOサイドイベント模様

 2016年5月23~24日にトルコのイスタンブールで開かれた世界人道サミットのサイドイベントとして、ILOは5月23日に「シリア難民危機に対する取り組みにおけるディーセント・ワークの中心的な役割:ILOの経験」と題するハイレベル・パネル討議を開き、シリア難民危機対応において人道的解決策と開発面から見た解決策を結びつける貴重な架け橋として、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の重要性を強調しました。

 基調講演を行ったトルコのスレイマン・ソイル労働・社会保障大臣は、トルコが難民の基本的なニーズに応えるものとして、教育や保健医療に留まらず、職業訓練や技能開発も提供していることや、一時保護・就労許可規則の制定によって難民が人間らしく働きがいのある仕事に就く道を開いていることなどを紹介し、国際社会によるさらなる支援と公約の必要性を訴えました。

 司会を務めたガイ・ライダーILO事務局長は、シリア難民危機の影響に対する取り組みは単なる地理的な位置を理由とした1、2ヵ国の責任事項とするのではなく、「国際社会が共有すべき地球規模の責任事項」と認められるべきことを主張しました。さらに、人道支援と開発面での解決策をつなぐ架け橋が必要なことに注意を喚起して、「ディーセント・ワークがその役割を担えることは明白」と強調しました。

 トルコ労働組合連盟(TURK-IS)のエルギュン・アタライ会長やトルコ使用者団体連合会(TISK)のエロル・キレセピ副会長などの労使代表を含むパネリストらもまた、国際社会のさらなる支援と公約、人間らしく働きがいのある仕事の機会の創出、政労使三者の関与、さらに難民と受入社会の双方について搾取や不平等な待遇、低賃金、仕事の不安定性、労働者の権利の否定を防止するために労働法改革や官民協力の拡大が必要なことを指摘しました。地元人口を上回る難民数を受け入れているキリス県のスレイマン・タプシズ知事は、地元の危機関連問題取り組みに対するILOの支援を評価しました。シリア難民の人口密度が高い南東アナトリア計画(GAP)地域の地域開発機関の代表は、難民の労働市場参加を支援し、仕事を創出することの重い負担と課題を強調しました。

 ILOは難民と受入社会の双方にディーセント・ワークの機会を促進することによって再定住センター及び近隣地域の活動を支援しています。これには、労働市場とバリューチェーン(価値連鎖)の分析、使用者及び国内労働者の姿勢調査、技能の評価と引き上げ、職業安定事業及び地域経済開発の促進などが含まれています。

 トルコを訪れたライダー事務局長は、南をシリアに接したシャンルウルファ県ハラン地区にある難民キャンプを訪れ、シリア難民と直接に対話を行い、そのニーズや懸念事項を聴取しました。トルコ政府は今年1月、難民に就労許可を与える措置を発表したわけですが、事務局長はこの申請が伸びていないことを残念とした上で、難民の就労が全体的な労働条件の切り下げにつながらないよう注意することの課題を指摘し、やがては自国に戻ることを夢見る難民らが語った最大の願いは仕事と教育であったことを強調しました。

ILOがトルコで支援しているシリア難民と受入社会の人々の双方に向けた就業能力向上活動(英語)

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 以上はILO駐トルコ事務所によるイスタンブール発英文記者発表の抄訳です。