バングラデシュ/任意資金協力
世界中の労働条件改善をラナプラザの遺産とすべきと説くILO事務局長:途上国における労働者の権利促進に向けてデンマークがILOに追加拠出
2014年04月03日
1,100人以上の工場労働者の命を奪い、多数の負傷者を出したバングラデシュの首都ダッカ近郊におけるラナプラザビルの倒壊から4月24日で1年になりますが、4月3日にデンマーク政府が主催して同国の首都コペンハーゲンで開かれた「ラナプラザのその後:将来ビジョン」をテーマとするバングラデシュの衣料・繊維生産に関するハイレベル会合に出席したガイ・ライダーILO事務局長は、人間の命をもって支払われた劣悪な労働条件の対価に光を当て、世界の工場や職場を、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が確保された、安全な就労の場所とする行動を起こすのに「今後の災害を待つべきでない」として、ラナプラザはディーセント・ワークの不足に取り組む世界の行動を要請していることを強調しました。そして、ILOが予算2,420万ドル、期間3年半の事業計画をもって、その実行を支援しているバングラデシュ政府と労使団体との合意による政労使全国行動計画の下で実行されている建築物や火災の安全評価、労働監督、労働安全衛生、生存者のリハビリテーションや技能訓練分野の活動、ILOが中立的な議長を務め、バングラデシュの供給業者、国際産業別労働組合組織のUNIグローバルユニオンとインダストリオール・グローバルユニオン、150以上の世界のブランドや小売業者が参加し、3,498の衣料品輸出工場中1,639工場が対象になっている協定などのILOが関与して進められているその後の取り組みを紹介し、供給網(サプライチェーン)が世界中に広がっている21世紀の産業界においては国際的な調整が必要不可欠であることを示しました。また、遺族及び被害者への迅速かつ公正な補償金支払いの必要性を強調し、十分な基金の確保に向けた活動の継続を呼びかけました。事務局長はまた、近年のバングラデシュの貧困削減や年6%の経済成長率に大いに貢献している衣料産業の同国にとっての役割の重要性に触れ、この産業が、開発支援という役割を維持しつつ、より安全でより持続可能となる必要性を指摘しました。
ライダー事務局長は同日、会合に先立ち、ヘレ・トーニング=シュミット・デンマーク首相と会談し、欧州連合(EU)における若者の失業問題対策や途上国の労働条件などといった共通の課題への取り組みについて意見を交わしました。会談後、首相は、労働者の権利の尊重はデンマークの社会モデルの基盤となっている中核原則の一つであり、国内における社会的ダンピングの撲滅に向けて先行対策的な政策を追求していることや関係国における人間らしく働きがいのある労働条件促進に努めていることを紹介してILOに対する全面的な支持を表明し、途上国における労働者の権利の促進に向けたILOの取り組みに対して2,500万デンマーク・クローネ(約4億7,000万円)の追加拠出を行うことを発表しました。このうち、1,500万デンマーク・クローネはILOと国際金融公社(IFC)の共同事業であるベターワーク(より良い仕事)計画に対して拠出されます。ライダー事務局長は、ラナプラザの悲劇が労働条件を緊急に改善する必要性を示すことを指摘して、「とりわけ最も脆弱な労働者のためにディーセント・ワークを創出し、安全で持続可能な成長を達成する必要」があるとして、その目標達成に必要な政策開発に向けたこの資金協力に強い感謝の意を表明しました。
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以上はコペンハーゲン発の次の英文記者発表2点の抄訳です。